東京五輪出場内定選手12名が決定

日本バレーボール協会は、6月21日に東京オリンピックの出場内定選手12名を発表した。若手の台頭で競争が激化していたアウトサイドヒッターは、現在、リミニ(イタリア)で行われているバレーボールネーションズリーグで安定感のあるプレーを披露している高橋藍、高梨健太。アウトサイドヒッターとセッター対角、2つのポジションを器用にこなす大塚達宣が内定を勝ち取った。出場内定選手12名は下記の通り。競技は7月24日(土)から有明アリーナ(東京都江東区)で開催される。

【アウトサイドヒッター】
石川 祐希 25歳/パワーバレー・ミラノ(イタリア)/キャプテン
「今回、東京オリンピック日本代表に選出していただき大変光栄で、このような大きな舞台でプレーができることをとても嬉しく思います。 結果を求めるとともに、この大会では最高のパフォーマンスを発揮します。 また、今まで支えてくださった方々への恩返しや感謝の気持ちを伝える舞台として全力で臨みます。 まずは、今まで練習でやってきたことや試合で経験してきたことを出せるようにすることが大事だと思います。どんな状況でもその環境や雰囲気を作ることを意識していきたいです。 その中で、苦しい場面などプレッシャーがかかった場面で、プレー面でも、精神面でも、チームの支えになるようにチームを引っ張りたいです。 イタリアという世界のトップリーグで戦ってきて、自分の感情を表現すること、1点の重要性、プレッシャーのかかった時に練習と同じプレーをすることの大切さなど、たくさんのことを学んできたので、それを練習から実践し、自信を持って東京オリンピックに臨めるように取り組みたいです。 若いメンバーは今まで海外の強豪チームと対戦する機会がなかったので、ネーションズリーグではオリンピック前にこのような試合ができ、また海外のチームのことを知ってイメージもできるようになり、チームとしてはとてもいい経験ができています。 課題は、強いサーブが来た時のレセプション(サーブレシーブ)の関係性や失点と、トランジションでの得点の仕方がまだ確立されていないことです。 レセプションは日本チームの強みでもあるので崩されないように戦いたいです。 トランジションでは、ディフェンスはできているので、繋いだボールを得点に繋げられる判断力を高めていきたいです。 個人的には、エースとして苦しい時やここ1点欲しい時に確実に取ることと、キャプテンとしてチームを苦しい時に支えられるように精神面でも頼りになる存在になることでチームに貢献したいです」

【アウトサイドヒッター】
高梨 健太 24歳/ウルフドッグス名古屋
「誰もが目指す場所でバレーボールができる喜びを感じるとともに、もっとやらないといけないという気持ちです。ネーションズリーグではレセプション(サーブレシーブ)とディグ(スパイクレシーブ)のスキル向上が課題であると感じました。オリンピックでは、持てる力を出し切りたいと思います」

【アウトサイドヒッター】
大塚 達宣 20歳/早稲田大学3年
「12人という限られたメンバーの中で、自分がこのチームに何で貢献できるのか、自分の役割は何なのかを考え、チームの勝利のために全力を尽くしたいと思います。 私のプレーの特徴を挙げるとするならばスパイクでのコース打ちやブロックを利用したスパイクなど攻撃面だと思うので、いつも以上のことをするのではなく、私が持っている全ての力を出し切ることでチームに貢献したいと思います。 ネーションズリーグは初めての国際大会で、コートに立っている時間だけでなく立っていない時間も含め、全てが自分のためになっていると感じました。また、世界相手に何が通用するのかを肌で感じることができ、これから一つ一つのプレーの質を上げていくことが必要だと思いました」

【アウトサイドヒッター】
高橋 藍 19歳/日本体育大学2年
「東京オリンピックの代表選手に選出していただいたことを嬉しく思いますし、感謝の気持ちでいっぱいです。ただ、この選考に落ちた選手がいることを忘れずに、その選手の分まで頑張りたいと思いますし、日本のバレーボールを全面に出して勝ちたいと思います。 最年少ということで、まずは自分自身のプレーを全面に出しチームの勝利に貢献することが大切で、それがチームの雰囲気をよくすることに繋がったり、得点に繋がると思うので、若さならではの力を出したいと思います。 ネーションズリーグでは、最初決まっていたスパイクや、サーブレシーブなどが、試合を重ねるにつれ成功率が下がっていってしまうという課題が出たので、連戦でも自分のプレーを安定して出せるようにすることを追求していきたいと思います。オリンピックで活躍するためにもそこが重要になると思います」

【オポジット】
清水 邦広 34歳/パナソニックパンサーズ
「もう一度この舞台に立てるのはとても光栄です。北京世代の分も今までの思いをこの舞台にぶつけていきたいと思います。振り返ると自分自身だけでは到底辿り着けなかったと思います。今まで周りの皆さんにたくさん助けられて、ここまで来ることができました。特に福澤選手がいたからこそ、もう一度這い上がれたと思います。自分自身も投げやりにならず、日々積み重ねがあったからこそだと思います。最年長でもありオリンピック経験者でもあるので、このプレッシャーの中でいかに自分たちの持ち味を出せるか、皆に教えられるものは教えていきたいです。自分が出た時はチームを落ち着かせたり変化させられるように、ベテランならではのプレーをしていきたいです」

【オポジット】
西田 有志 21歳/ジェイテクトSTINGS
「多くの思いを背負い頑張りたいと思います。 ネーションズリーグでは途中まで出場メンバーに入ることができず、すごくもどかしい気持ちが強かったですが、コート外からの景色は、コートの中とは全く違ったので、多くのことが勉強になりました。 自分の役割は流れを変えることです。また、プレーをしている選手、試合を見てくれている方々に活力を与えたいと思います」

【ミドルブロッカー】
小野寺 太志 25歳/JTサンダーズ
「アスリートならば誰もが目指す舞台に選手として選んでいただき、本当に嬉しく思います。たくさんの方の期待に応えられるよう、日の丸を背負って精一杯戦います。 まずは試合の中でスパイク、ブロック、サーブなどで安定したプレーが求められているので、自分の持ち味を生かしながらプレーしたいです。また、ミドルブロッカーの中でのリーダーシップも発揮していきたいです。 たくさんの方が応援してくれていて、自分に期待してくれているので、地元・宮城県や、被災され今も避難所で暮らしている方々に勇気や感動を与えたいです。スポーツにはその力(人を勇気づけたり感動を与える力)があると思うので、そのことを自分達のプレーや結果で皆さんに証明したいと思います」

【ミドルブロッカー】
山内 晶大 27歳/パナソニックパンサーズ
「日本代表に選出されて嬉しい気持ちといよいよ始まると言う緊張感があります。自分にできる最大限のパフォーマンスを準備していきます。プレーに関しては、クイックとブロックでチームに貢献していきたいと思います。自分の強みを最大限に表現していきたいです」

【ミドルブロッカー】
李 博 30歳/東レアローズ
「東京オリンピックのメンバーとして選出していただき大変光栄に思います。結果を残す為により責任と覚悟を持って戦います。 自分の与えられた役割をしっかりと果たし、常に100%の力を出せるよう準備していきたいと思います。 サーブ、スパイク、ブロックフォローなどの細かいプレー、途中出場の場合はチームの流れを変えられるプレーを期待されていると思うので、それを頭において表現していきたいと思います」

【セッター】
藤井 直伸 29歳/東レアローズ
「初めて日本代表に選んでいただいた時から東京オリンピックに出場したいという思いでここまでやってきたので、素直に嬉しいです。自分自身に後悔がないように、全力で戦いたいと思います。また、これまで一緒に戦ってきた仲間、この一年の重みを痛感し、夢半ばにオリンピックという目標を絶たれた人達の想いも感じて精一杯頑張ります。 クイック、パイプといった真ん中を軸とした速いバレーボールを展開すること、そしてチームの雰囲気を盛り上げたり、鼓舞できるような振る舞いでチームに貢献していきたいです。 震災直後、バレーボールを続けることを諦めた時もありました。そんな時に支えてくれた家族、大学関係者の皆さんには感謝してもしきれません。あの時の支えがなかったら今の自分はありません。そして、いつも温かく迎えてくださる地元の方々。毎回帰省する際にたくさん声をかけていただいて、その度に自分にとっての活力になりました。 たくさんの皆さんの後押しがあったからこそ、今こうして日の丸を背負って戦うことができます。そういった皆さんにバレーボールを通して、今度は自分が少しでも力を与えられるように胸を張って頑張ります」

【セッター】
関田 誠大 27歳/堺ブレイザーズ
「夢であり、目標であったオリンピックへの出場が実現するということで非常に嬉しく思います。それと同時に、これまでの多くの支えがなければ実現できなかったことだと思うので、たくさんの人に感謝したいです。日本の代表としての誇りを持ち、ベストパフォーマンスが出せるように準備していきたいと思います。 ネーションズリーグでは大事な場面での1点の重みをより感じました。日本はディフェンスがかなり重要になってくると思います。サーブはより向上させていく必要があります。 期待されているのはサイドアウトやブレイク時にどれだけ効率をよくしていくかと、ディフェンスだと思います。 どんな場面でも小さなきっかけやプレーの積み重ねで流れは変わってくると思いますので、どんな時も諦めず常に考えてプレーしていきたいと思います」

【リベロ】
山本 智大 26歳/堺ブレイザーズ
「開催国の代表選手として、自覚と責任を持って戦います。プレー面においてはレセプション(サーブレシーブ)の関係性を密にすること、ブロックとディフェンスの徹底をすることを心掛けたいです。ディフェンスにおいてはリーダーとなることが期待されていると思うので、レセプション、ディグ(スパイクレシーブ)、鼓舞する声掛けでチームに貢献していきたいです」

(写真・コメント提供:日本バレーボール協会)

WD名古屋:引退の内山正平×高松卓矢が後輩にエール

4月18日に引退セレモニーを行った内山(左)と高松

豊田合成トレフェルサをVリーグ初優勝(2015/16シーズン)へと導いたクリティアンソン・アンデッシュ前監督のもと、主力メンバーとして活躍した内山正平(セッター)、高松卓矢(アウトサイドヒッター)が今シーズンを最後にコートを去った。

2人は2010年に入団。2013年にアンデッシュ氏が監督に就任すると、英語習得に四苦八苦しながらも、同氏のバレーボールに対する考え方に傾倒し、力をつけて豊田合成トレフェルサの黄金期を築いた。2018年より、チームはティリカイネン・トミー監督(2020-21シーズンで退団)に引き継がれ、クラブ化に伴い、2019-20シーズンよりチーム名をウルフドッグス名古屋(以下、WD名古屋)に変更。環境が変化する中で前田一誠(セッター)、高梨健太(アウトサイドヒッター)、小川智大(リベロ)らが成長し、今季、高松は大分三好ヴァイセアドラー(期限付き移籍)でプレーしていた。

4月18日(日)に豊田合成記念体育館エントリオで引退セレモニーを行った高松と内山に心境を聞いた。

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混戦のV1男子。昨季7位のウルフドッグス名古屋が台風の目に!

 10月17日(土)に幕を開けたVリーグ(V1男子)は、レギュラーラウンド(4回戦総当たり)を熱戦中。現在、全チームが10試合、同一カードを2試合ずつ戦い、下記のような順位となっている。試合が1週空いて、どのような調整が行われたのか。11月27日(金)・28日(土)に行われる次戦が楽しみだ。

1位 ウルフドッグス名古屋 8勝2敗 23ポイント 2.17% 
2位 パナソニックパンサーズ 8勝2敗 23ポイント 2.00%
3位 サントリーサンバーズ 8勝2敗 23ポイント 1.80%
4位 JTサンダーズ広島 7勝3敗 21ポイント
5位 ジェイテクトSTINGS 7勝3敗 18ポイント
6位 堺ブレイザーズ 5勝5敗 16ポイント
7位 東レアローズ 5勝5敗 14ポイント
8位 FC東京 2勝8敗
9位 VC長野 0勝10敗 2ポイント 0.27%
10位 大分三好ヴァイセアドラー 0勝10敗 2ポイント 0.17%
※勝敗が同じ場合、ポイント、セット率により順位を決定(11月15日終了時)

クレクの働きで取り戻した「自信」

 昨シーズンの上位チームを抑えてトップに立つウルフドッグス名古屋(以下、WD名古屋)は、精度の高いトータルディフェンスとオポジットの攻撃力が特色のチームだ。

 クリスティアンソン・アンデッシュ前監督が、チームコンセプトに基づいたチームバレーを根づかせて、2015/16シーズン(当時は豊田合成)に初優勝。その後も準優勝2回と強豪チームに成長させた。その間に、ティリカイネン・トミー監督を迎えて、二人三脚でチーム強化に取り組んできたが、2018-19シーズンを最後にアンデッシュ前監督が勇退。新時代を担うであろう、学生時代に国際大会を経験している4選手(高梨健太、永露元稀、小川智大、勝岡将斗)が入団し、トミー監督のもと、コーポレートクラブハイブリッドチーム「ウルフドッグス名古屋」として新たな一歩を踏み出した昨シーズンだったが、7位に終わった。新体育館が完成した今シーズン、なんとしても結果を出したい、という思いは、世界屈指の主砲、クレク・バルトシュ(ポーランド代表/オポジット)の獲得に表れている。入国から14日間、待機生活を送り、開幕の3日前にチームに合流。急ごしらえのチームで開幕週はサントリーに連敗したが、翌週から負け知らずの8連勝でトップに躍り出た。

守備面で存在感を発揮するリベロ小川智大。

 その日の会見で、アンデッシュ前監督時代から、トータルディフェンスの要として厚い信頼を得ている近裕崇(ミドルブロッカー/キャプテン)は、「ブロックでボールが抜けたり、ボールをタッチしたりした時に、(リベロが)いるよね、という感覚が昨季よりも強い気がする」と、手応えを口にした。

「昨シーズンはトミー監督が思い描いているバレーを体現できなかったのですが、今年は練習を積んで、練習の時からそれができてきている実感がありました。また、クレク選手がリーダーシップをとって、チームに自信を与えてくれています。それもチームが好調な要因だと思います」

 そう話すのは、今シーズン、スタメン起用されているリベロの小川智大だ。今年はスピンサーブへの対応と、サーブレシーブのフォーム改善に取り組んできたという。自分のこだわりを捨てて猛練習した成果が今、数字に表れて、サーブレシーブ成功率ランキングでトップ(76.3%/11月15日終了時)に立っている。サーブレシーブの場面では、セッターの攻撃プランに応じて、誰がレシーブするのがベストなのかを考え、(サーブレシーブを担当するアウトサイドの選手に)指示を出していると言うが、チームのサーブレシーブ成功率も現在1位(60.6%/11月15日終了時)で、ベンチの信頼を獲得している。

「(セッターが攻撃させたい選手に)できるだけフリーで打たせたいから」と小川。そのため、後衛のアウトサイドの選手と小川がレシーブに入るという選択をして「パイプが弱くなるケースもある」と言う。そうした駆け引きをコート上の選手たちがコミュニケーションを取りながら、場面に応じてよりよい選択をし、得点に結びつく行動をとる、という文化が根づいているのがWD名古屋の強みだ。キャプテン近も、「(攻撃の場面では)僕に相手のマークがつくことが第一。他の選手が助かるから」と献身的なプレーに徹する。その背中が道標となってチームは1つになりつつある。

コート上で表情豊かにプレーするアウトサイド高梨健太。

 さらにクレクが、総得点ランキング1位(272点/11月15日終了時)の働きにとどまらず、コート外でも積極的に選手にかかわることにより、チームは自信を取り戻している。エースに成長中の高梨健太や、サントリーの柳田将洋とともに春高バレーを沸かせた山田脩造(共にアウトサイド)も、非凡な能力を発揮していて頼もしい。

 レギュラーラウンドはまだ序盤だが、今シーズン、WD名古屋が台風の目となって、順位争いに大きな影響を与えそうな様相。本日のナイトゲームを含め、今週末以降の戦いに大いに注目したい。

【11月27日(金)・28日(土)の対戦カード】
大阪(大阪市)サントリー vs JT広島
【11月28日(土)・29日(日)の対戦カード】
愛知(稲沢市)WD名古屋 vs 大分三好
長野(松本市)VC長野 vs パナソニック
静岡(静岡市)東レ vs 堺 ジェイテクト vs FC東京

文・金子裕美

Vリーグ、17日開幕!柳田将洋ら海外経験者が参戦

昨季、ユナイテッド・バレーズ(ドイツ)で活躍した柳田将洋。今季は古巣のサントリーでこれまでの経験をすべてぶつける覚悟だ。

バレーボールの国内リーグ、2020-21V.LEAGUE DIVISION1 MEN(以下、V1)が10月17日(土)に各地で開幕した。今季より10チームによる4回戦総当たり方式を採用。2021年3月28日(日)までV・レギュラーラウンドを行い、上位3チームが4月4日(土)・5日(日)に行われるV・ファイナルステージに進出する。4位~10位のチームはレギュラーラウンド終了時の順位が最終順位となり、下位2チームはV・チャレンジマッチ(入替戦)に出場する。

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