王者フランスとの戦いを自信と糧に、来季はさらなる飛躍を!

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 世界選手権(ポーランドとスロベニアの共同開催)で、決勝トーナメント Round of 16に出場した日本は、東京2020、2022ネーションズリーグの覇者であるフランスと対戦。2-3(17-25、25-21、24-26、25-22、16-18)で惜敗し、12位で大会を終了したが、来季を期待させる締めくくりとなった。

 第1セットこそフランスが得意とするミドルブロッカーを軸とした攻撃を許してしまい、一方的なゲームとなったが、2セット目以降はしぶとくサーブで揺さぶりをかけ、フランスに思い通りのプレーをさせない状況を作り出した。

 立役者はこの試合31得点(内、アタックは28得点)と大活躍の西田有志だ。試合後のインタビューでフランスのミドル、シヌニエズ(背番号1)も脱帽していたが、とにかくブロックにかからない。すり抜ける。そのもどかしさも、フランスの歯車を狂わせる要因となり、ファイナルセットもデュースの激戦となった。

 16-16。まさにどちらが勝ってもおかしくない状況下で、一流の証を見せたのはフランスの要、ヌガペト(OH)だった。マッチポイントにつながるサーブレシーブは、「クイック、いけるぞ」と言わんばかりの好返球。これをルゴフ(MB)が決めて16-17。日本としてはなんとしてもサイドアウトを取らなければいけない場面で、西田のスパイクがブロックに当たり、そのボールがつながってヌガペトのもとへ。するとスタンディングジャンプにもかかわらず、ブロックを交わして超インナーの誰もいない場所へスパイクを打ち込まれてゲームセットとなった。

 強豪といわれるチームには、こうした勝負を決する場面で勝ち切る力がある。ネーションズリーグのブラジル戦でも日本は競り合ったが、終盤の肝心な場面で点を取れずにセットを落とした。競り合いを勝ち切るには「トーナメントの緊迫する試合で経験を積むことが必要だ」と石川祐希は話していたが、まさにこのフランス戦はそれに匹敵する試合ではなかったか。

 目標としていたベスト8には届かなかったが、エースでありチームリーダーの石川がベストコンディションではない中でも、手応えを感じるゲーム内容で締めくくれたことは収穫だった。この戦いで得たものを自信に、見えた課題を糧にして、来季ではさらなる飛躍を期待したい。

©️FIVB
フランス戦のスタメンはOH:石川祐希・髙橋藍、MB:山内晶大・小野寺太志、OP:西田有志、S:関田誠大、L:山本智大。

個人成績は以下の通り。
・西田有志 OP 31得点
・石川祐希 OH 22得点
・髙橋藍 OH 11得点
・山内晶大 MB 10得点 
・小野寺太志 MB 2得点
・関田誠大 S 1得点
※OH:アウトサイドヒッター、MB:ミドルブロッカー、OP:オポジット、S:セッター、L:リベロ
※個人成績を訂正しました。(2022年9月13日)

文責:金子裕美

世界バレーが開幕。存在感が増している髙橋藍の積極的なプレーとリーダーシップに期待

©️FIVB

 世界のトップ24チームが参加するバレーボールの男子世界選手権(ポーランドとスロベニアの共同開催)が8月26日に開幕した。リュブリャナ(スロベニア)で初戦を迎えた日本は、カタールを3-0(25-20、25-18、25-15)で下して白星スタートを切った。

 1次ラウンドは4チームによる1回戦総当たりで、日本は28日(日本時間21時開始)にブラジル、30日(日本時間21時開始)にキューバと対戦する。

 カタール戦のスタメンはOH:髙橋藍・大塚達宣、MB:山内晶大・小野寺太志、OP:西田有志、S:関田誠大、L:山本智大。

 個人成績は以下の通り。
・西田有志 OP 17得点
・髙橋藍 OH 11得点
・山内晶大 MB 8得点 
・小野寺太志 MB 8得点
・大塚達宣 OP 6得点
・石川祐希 OH 4得点
・宮浦健人 OP 1得点

※OH:アウトサイドヒッター、MB:ミドルブロッカー、OP:オポジット、S:セッター、L:リベロ

 左足首の負傷により治療、リハビリに専念していた石川祐希は、ベンチスタートで戦列復帰を果たしたものの、実戦から離れていたため感触を確かめながらのプレーとなった。復調が待たれるなか、ポイントゲッターの西田有志や司令塔の関田誠大が実力を発揮し、日本はストレート勝ちを収めたが、ひときわ印象に残ったのは髙橋藍の存在感だ。大舞台の初戦に動じるどころか、チームを支える頼もしさを感じた。

 2020年にフィリップ・ブラン監督と出会い、昨シーズンまでは「スパイクにしても、サーブレシーブにしても注意されることばかり。サーブレシーブで球をはじくたびに怒られていた」と言うが、へこむどころか、厳しさは自分への期待の裏返しと受け取って前向きに努力してきた。今シーズンは監督の期待が確信に変わり、「プレーで挑戦することと、リーダーシップが求められている」と胸を張る。

 強豪ブラジルとの戦いで髙橋がどんなパフォーマンスを見せるのか。プレーだけでなく、コート上のたたずまいなど戦う姿勢にも注目したい。

2022AVCカップ、優勝は逃すも準優勝は過去最高の成績。深津、大竹が個人賞に輝く

 AVCカップ(ナコンパトム/タイ)は8月14日に最終日を迎えた。真保綱一郎監督が率いる男子バレーボール日本代表は、決勝戦で中国(世界ランキング19位/8月14日時点)と対戦し、スタメン平均身長が200cm(リベロを除く)を超える中国に力及ばず、0-3(20-25、23-25、22-25)で敗れて準優勝で大会を終了した。

 残念ながら目標としていた優勝には届かなかったが、限られた時間の中でキャプテン深津旭弘と、藤中謙也が中心となってチームをまとめ上げ、過去最高の成績を残した。深津はベストセッター賞を、大竹壱青はベストオポジット賞を受賞した。

 チーム最多得点は6試合で79得点をあげた富田将馬。この大会が代表デビューとなったエバデダン ラリーも、ミドルブロッカーながら57得点と、今後が楽しみになる活躍を見せた。リベロ髙橋和幸やセッター深津ら、その時店を演出したメンバーの功績も大きい。

 尚、ブロックやサーブを得意とするアウトサイドヒッター樋口裕希は、この大会を終了後、世界選手権日本代表が事前合宿を行うイタリアへ向かい、チームに合流している。

【最終順位】
 1位 中国
 2位 日本
 3位 バーレーン
 4位 韓国
 5位 イラン
 6位 パキスタン
 7位 タイ
 8位 オーストラリア
 9位 チャイニーズタイペイ
10位 インド
11位 ホンコンチャイナ

【個人賞】
ベストアウトサイドヒッター Zhang Jingyin(中国 22)/Mohamed Abdulla(バーレーン 17)
ベストミドルブロッカー Zhang Zhejia(中国 12)/Peng Shikun(中国 15)
ベストオポジットヒッター 大竹壱青(日本 4)
ベストセッター 深津旭弘(日本 3)
ベストリベロ Husain Sultan(バーレーン 10)
最優秀選手 Zhang Jingyin(中国 22)

【日本代表の得点】
アウトサイドヒッター
11 富田将馬 79得点
22 樋口裕希 35得点
37 藤中謙也 22得点
18 仲本賢優  7得点
※アウトサイドヒッターの得点率/41%

ミドルブロッカー
30 エバデダン ラリー 57得点
40 難波尭弘 28得点
38 小野遥輝 MB 21得点
41 山田大悟 MB 1得点
※ミドルブロッカーの得点率/31%

オポジット
 4 大竹壱青 78得点
39 小澤宙輝 9得点
※オポジットの得点率/25%

セッター
 3 深津旭弘 11得点
21 永露元稀 0得点
※セッターの得点率/3%

リベロ
24 髙橋和幸
29 藤中颯志

*ポジション別得点率は総得点348点(相手チームの失点による得点は含まず)における割合です

文責:金子裕美 写真:AVC

【バレー】AVCカップ男子日本代表が決勝進出。初の栄冠を手にして、世界選手権日本代表に最高のエールを!

チームが一丸となって初の決勝進出を果たした日本。
真保監督の起用に応え、スタメンだけでなく途中出場の選手の活躍も光る。

 8月7日からAVCカップを戦う真保綱一郎監督率いる男子バレーボール日本代表は、13日にセミファイナル(1−4位)に臨み、バーレーンに3-0(27-25、25-15、25-20)で勝利して本大会初の決勝進出を決めた。

 今大会、初スタメンの小野遥輝がブロック4得点を含む10得点と活躍。深津旭弘をはじめ、好サーブで相手チームを揺さぶることができているのも頼もしい。第1セット途中、流れが滞った場面でコートに立った小澤宙輝の貢献もあり、このセットをデュースで取り切れたことが、その後のセットにも良い影響を及ぼした。
 
 スタメンはOH:樋口裕希・富田将馬、MB:小野遥輝・エバデダン ラリー、OP:大竹壱青、S:深津旭弘、L:髙橋和幸。

個人成績は以下の通り。

・富田将馬 OH 13得点
・樋口裕希 OH 11得点
・小野遥輝 MB 10得点 
・エバデダン ラリー MB 9得点
・大竹壱青 OP 7得点
・深津旭弘 S 2得点
・小澤宙輝 OP 2得点
身長187cm。ミドルブロッカーとしては小柄ながらも、豊かなジャンプ力と機動力を持ち味にアグレッシブな攻撃を展開する小野遥輝。バーレーン戦ではブロックでも役割を果たした。

 14日に行われる決勝は、勢いに乗っていた韓国をフルセットの末に倒した中国と対戦する。

 2022男子バレーボール日本代表は、今季、AVCカップ(8月7日〜14日/真保綱一郎監督)では優勝を、世界選手権(8月26日〜9月11日/フィリップ・ブラン監督)ではベスト8以上を目標に掲げて強化に取り組んできた。

 フィリップ・ブラン監督率いる日本代表は、8月26日に開幕する世界選手権(ポーランド、スロベニアの共同開催)に向けて、14日未明に事前合宿を行うイタリアへ旅立った。19日にアメリカと、20日にイタリアとフレンドリーマッチを行い、23日にスロベニアに入る予定だ。

 AVCカップ日本代表としては何としても優勝して、世界選手権日本代表に最高のエールを届けたいところだ。スタメンだけでなく、途中出場の選手が要所要所で持ち味を発揮し、チーム一丸でつかんだ決勝の舞台を大いに楽しみ、それぞれに役割を果たして勝利を呼び込んでほしい。

文責:金子裕美 写真:AVC

パリオリンピックを見据えた夏の戦いがスタート。先陣を切るAVCカップ日本代表は予選Rを1位で通過。

 パリオリンピックの出場権獲得に必要となるFIVB世界ランキングを上げるために、AVCカップ(8月7日〜14日/真保綱一郎監督)では優勝を、世界選手権(8月26日〜9月11日/フィリップ・ブラン監督)ではベスト8以上を目標に掲げて強化に取り組んできた2022男子バレーボール日本代表が、その成果を試す時を迎えている。

 先陣を切ってナコンパトム(タイ)に乗り込んだAVCカップ日本代表は、予選ラウンドを戦い、インド(25-15、25-15、25-15)、オーストラリア(27-25、25-15、25-14)をストレートで下して、C組1位で2次ラウンドに進んだ。

スタメンはOH:樋口裕希・富田将馬、MB:難波尭弘・エバデダン ラリー、OP:大竹壱青、S:深津旭弘、L:髙橋和幸。

 2試合の個人成績は以下の通り。
インド戦
・大竹壱青 OP 19得点
・エバデダン ラリー MB 10得点
・樋口裕希 OH 9得点
・難波尭弘 MB 9得点
・富田将馬 OH 7得点
・藤中謙也 OH 4得点
・仲本賢優 OH 1得点
・山田大悟 MB 1得点

オーストラリア戦
・エバデダン ラリー MB 12得点
・大竹壱青 OP 10得点
・富田将馬 OH 10得点
・樋口裕希 OH 10得点
・仲本賢優 OH 3得点
・小澤宙輝 OP 3得点
・難波尭弘 MB 3得点
※OH:アウトサイドヒッター、MB:ミドルブロッカー、OP:オポジット、S:セッター、L:リベロ

 ブラン監督のもとで世界と戦うチームをAチームとすれば、真保監督はそれ以外の選手を預かり、国内合宿を重ねて、AVCカップに向けたチームづくりを進めてきた。どちらも2022日本代表チームである、という考え方をベースに、ブラン監督の強化方針を踏襲。サーブ力の強化に加え、トータルディフェンス(ブロック戦術とレシーバーの配置を連携したシステム)の徹底を図り、Aチームの要請により入れ替えが生じても、選手がスムーズに力を発揮できる体制を整えた。

 実際に、大宅真樹(S/サントリーサンバーズ)、高梨健太(OH/ウルフドッグス名古屋)は、ネーションズリーグに途中から参加し、Aチームに定着。世界選手権に出場する。そうした現実を目の当たりにし、刺激を受けている選手の集まりがAVCカップ日本代表だ。7月末に世界選手権の壮行試合として行われた日本代表紅白戦では、Aチームに勝るとも劣らないディフェンス力と、チームとしての一体感を見せており、本大会での活躍が期待されている。

 2次ラウンドでは11日にA組2位の韓国と、12日にA組1位のタイと対戦する。

【出場選手】
*アウトサイドヒッター
11.富田 将馬 (東レアローズ)
18.仲本 賢優 (パナソニックパンサーズ) 
22.樋口 裕希 (堺ブレイザーズ) 
37.藤中 謙也 (サントリーサンバーズ) 
*ミドルブロッカー
30.エバデダン ラリー (筑波大学4年) 
38.小野 遥輝 (サントリーサンバーズ) 
40.難波 尭弘 (東レアローズ)
41.山田 大悟 (東京グレートベアーズ) 
*オポジット
 4. 大竹 壱青 (パナソニックパンサーズ) 
39.小澤 宙輝 (東レアローズ)
*セッター
 3. 深津 旭弘 (堺ブレイザーズ) 
21.永露 元稀 (ウルフドッグス名古屋) 
*リベロ
24.髙橋 和幸 (ジェイテクトSTINGS) 
29.藤中 颯志 (日本バレーボール協会)

文責:金子裕美 写真:AVC

星野秀知、31歳の挑戦。プロ転向を自分らしい人生を拓くチャンスにしたい。

自分らしい人生を拓きたい、という思いからプロ転向を決断。
経験豊富な星野秀知の新天地での活躍が楽しみだ。(写真:東京グレートベアーズ)

 8月1日に東京グレートベアーズが入団を発表した星野秀知(31歳/アウトサイドヒッター)は、サレジオ中学校、東亜学園高校、東海大学、東レアローズと、すべてのカテゴリーで日本一を成し遂げた稀有な選手だ。代表経験も豊富で、2013年度、2016年度はシニア日本代表に選出された。バレーボール選手として陽の当たる道を歩んできた星野が、31歳にして選んだプロ転向にはどのような心境の変化があったのだろうか。

バレーボールを頑張ると目の前にスーッと道が広がった

 話を聞いたのは6月半ばだ。東レアローズが退団を発表してから約1ヵ月。Vリーグ機構に移籍希望を出した星野は自宅でオファーを待っていた。人生最大のチャレンジに「ワクワクしている」と笑顔を見せたが、正式に入団が決まるまでは落ち着かない日々を過ごしてきたに違いない。誰の手も借りずに進路を決めるのは、31歳にして初めてのことだからだ。

 小学校時代にバレーボールを始めてまもなく頭角を表すと、常に日本一を目指すチームに必要とされてきた。そして全中(2005年度)優勝。春高(2007年度、2008年度)では連覇を達成。精鋭が集まる東海大学でも1年次からレギュラーとして活躍し、全日本インカレ(2009年度、2011年度)では2度の日本一に輝いた。

「学生時代は目の前の試合に勝ちたい。そのために自分は何をすればいいのか。それだけを考えて一生懸命取り組んできました。その結果、僕を必要としてくださる学校や企業の方が(所属チームの)監督、コーチに話を持ってきてくださり、その中から(行き先を)選べばよかったので、バレーボール以外のことは深く考えていませんでした。バレーボールを一生懸命頑張っていれば目の前にスーッと道が広がっていく、そんな感覚でした」

 Vリーガーを目指していたわけでも、就職に有利だからとバレーボールに打ち込んできたわけでもない。自分を必要としてくれたチームに感謝し、期待に応えること。そこにやりがいを感じて自分を磨いてきた。

 攻守に優れている星野は東レアローズでも持ち味を発揮し、2016-17シーズンはリーグ優勝に貢献。翌2017-18シーズンから4季にわたりキャプテンを務めて、チーム力の底上げに尽力した。

好きなチームだから、退団を決意するまでに1年かかった

 近年の星野は、対角を組むアウトサイドヒッターや対戦相手、戦況などに応じて、攻撃型と守備型の比率を自分の中で巧みに調整できる有能なプレーヤーという印象だ。

「Vリーグで戦える選手であるために、自分なりに工夫して技術を磨いてきました。30代になり、選手寿命は確実に短くなっているので、コートでチームの勝利に貢献したいという思いが強くあります」

 東レアローズには毎年、ポテンシャルの高い選手が入団するが、戦力として渡り合う覚悟も自信もあるという。ところがチームの意向は違った。若手選手のバックアップを任された。

 自分と上司、あるいは組織の考えが食い違うことは、スポーツの世界に限らず、よくあることだ。自分の中で折り合いをつけるのか、行動を起こすのか。人生の岐路に立たされて、星野は初めて「引退」を意識した。

「バレーボールを頑張って、いつか引退して、会社員として働く人生を想像したら、ワクワクしませんでした。僕は会社員に向かない性格なんです。ただ、家族(奥さんとお子さん2人)がいます。会社に残れば安心して養っていける、とてもありがたい環境でバレーボールをやらせてもらっていました。そもそも東レアローズが好きですし、ここでプレーしたいという思いが強かったので、自分はどうすべきなのか、相当悩みました」

 「好きにしていいよ」という奥さんの助言がなければ、今も悩み続けていたかもしれない。

「(奥さんは)考え方がポジティブなんですよ。自分が会社員から独り立ちして仕事をしていることもあり、『今はいくらでも(生計を立てる)方法がある』『悩んでいるなら、他のチームでバレーボールをしてもいいんじゃない? 』とプッシュしてくれて、考えが広がりました」

 バレーボール界でもプロ化が進み、選手が自分の意思で行動を起こしやすくなったことも、追い風になった。

「誰かに相談したわけではありませんが、一度、(移籍希望を出して)自分の選手としての価値を聞いてみるのもいいのかなと思いました。プロ選手であれば、バレーボールを一生懸命頑張ることによって、他の仕事や事業に結びついていく可能性もあります。そこにも魅力を感じました。年齢的には少し遅いかもしれませんが、もしうまくいかなくても、自分で考え、判断し、決めたことなら、納得して次の道に進むことができます。1年かかりましたが、最終的には、これが最初で最後のチャンス。自分らしい人生を拓くきっかけにするぞ、という思いで決断しました」

チームに良い影響を与えられる、強くてかっこいい選手になりたい

「プロになったからには、これまで以上に必要とされる選手にならなければいけない」と話す星野に、その具体策を尋ねると、「自分にとってはやりがい、チームにとってはこの選手と契約してよかったという納得感や満足感を得られる、Win-Winの関係を作ること」という答えが返ってきた。

「そのためにはまず、プレーでアピールしなければいけないと思っています。得点をアシストするサーブレシーブや、つなぎのプレーは、僕のプレースタイルとして引き続き大事にしていきますが、それだけでは足りません。信頼を得るには、チームを一気に乗せることができる得点力が必要です。例えば柳田(将洋/ジェイテクト)選手のような、得点力で存在感をアピールできる選手が理想です。自分が得意とする守備力に、試合展開を一気に覆せるような得点力が備われば、そこにいるだけでチームに安心感をもたらすことができる選手になれるのではないかと思います。(チームメイトへの)声かけにも説得力が増すと思います」

 目指すのは、チームに良い影響を与えることができる「強くてかっこいい選手」だ。

「プレーで魅せることが大前提ですが、いろいろな角度から、応援したい!と思ってもらえる選手になることもプロ選手の大切な仕事です。これまでは身だしなみにしても、人への接し方にしても、あまり意識していませんでしたが、そういうことも含めて、自分自身が変わることを恐れずにチャレンジしていきます」

 期せずしてプロ選手に転向した年に東京グレートベアーズが誕生した。アウトサイドヒッターを必要としていたことから星野に白羽の矢が立ち、V1でプレーするチャンスが生まれた。背番号「1」に、期待の大きさが伺える。この幸運を活かして、地元の東京でどのように自分の思いを表現するのか、楽しみだ。

「これからの人生は、すべてが自分の責任になります。きついと思いますが、それも含めておもしろいのではないかと思っています。僕はバレーボールしかしてこなかったので、自分に何ができるのか、何が向いているのか、わかりません。バレーボール以外にやりたいこともまだ見つかっていないので、今後のプロ生活を通して今まで気づかなかった自分を掘り起こしていけるように、精一杯頑張ります」

【追記】
ここに東京グレートベアーズが入団に際して発表した、真保綱一郎監督のコメントを掲載する。

「星野選手の加入は、東京グレートベアーズに安定と成長をもたらす非常に素晴らしい補強であると考えています。星野選手のストロングポイントであるブロックを含めたディフェンス面やレセプションでの貢献はもちろんのこと、学生時代から代表経験が豊富であり、各カテゴリーで数多くの優勝を勝ち取っている彼の経験をチームに注入し、化学反応を起こしてもらうことも期待しています」
星野秀知(ほしの ひでとも)
東京グレートベアーズ/アウトサイドヒッター/1990年9月29日生まれ/東京都世田谷区出身/身長187cm/サレジオ中→東亜学園高→東海大→東レアローズ/主な代表歴:2011・2013ユニバーシアード、2012アジアカップ、2016ワールドリーグ

取材・文/金子裕美

個性派揃い!バレーボールネーションズリーグ<第1週>日本代表

VNL第1週は石川祐希を含めた14名を選出。ブランジャパンの先陣を切る

 FIVBバレーボールネーションズリーグ2022 予選ラウンド第1週 ブラジル大会(以下VNL)が、6月7日(火)から12日(日)までブラジリアで開催される。日本代表チームは、パドバ(イタリア)での事前合宿を経て、VNLが行われるブラジリアに移動。ネーションズリーグ開幕までの合宿期間ではブラジル代表チームとの練習試合も予定されており、チームの連携を深めて大会に臨む。

 チームを率いるフィリップ・ブラン監督は、監督就任当初から「2022年度は東京五輪代表メンバーが中心になる」と明言していたが、今回のメンバーにはキャプテンの石川祐希(ミラノ)をはじめ8名が選出された。そのうち、石川、西田有志(ビーボ・バレンティア)、関田誠大(クプルム・ルビン)、髙橋藍(日本体育大学/パドバ)が2021-22シーズンを海外のリーグで過ごしている。VNLはその成果を存分に発揮する大会となるだろう。また、ブラン監督は、海外組に加えてリベロ山本智大(堺)にもリーダー的な役割を期待しており、VNLはこの5選手を中心に戦いが繰り広げられていくことになりそうだ。

 もちろん小野寺太志(JT)、山内晶大(パナソニック)、大塚達宣(早稲田大学)のさらなる進化にも期待がかかる。スタメン定着に向けて自身の持ち味を自覚し、チームの勝利に貢献したいところだ。

 東京五輪代表以外では、2021-22Vリーグでプロック賞、ベスト6、フェアプレー賞を受賞。攻撃にも自信をつけた髙橋健太郎(東レ)と、同リーグで2年連続のサーブレシーブ賞を受賞。ベストリベロにも輝くなど着実に力をつけている小川智大(ウルフドッグス名古屋)が、昨年に続きVNL代表入りを果たした。

 髙橋は代表歴8年目にして、新たな気持ちでシーズンを迎えている。早くから活躍が期待されていたが、その能力を十二分に発揮することができず、東京五輪代表にも選出されなかった。バレーボールから離れることを考えた時期もあったというが、チームの手厚いバックアップのもと、2021-22Vリーグでは充実したシーズンを送り、今に至っている。その自信を力に変えることができれば、小野寺、山内を脅かす存在になるだろう。

 パリ五輪出場を目標に掲げる小川は覚悟をもって臨んでおり、「前回とは違う自分を見せたい」と話していた。振り返れば、昨年は反応の良いプレーで世界のバレーボールファンを魅了したが、出番は少なかった。今年はチームが目指すバレーの実現にこだわり、その1ピースになる、と心に決めている。もう一人のリベロ山本の能力を誰よりもわかっている小川の、真摯な挑戦を見届けたい。

 宮浦健人(ジェイテクト)は、昨年、東京五輪後に行われたアジア選手権に続く国際大会出場となる。世代別の代表経験が豊富な選手だけに、今頃合宿地でわくわくしていることだろう。同じポジションの西田とは高校時代から競い合ってきた仲だが、高校を卒業後、宮浦は大学へ。1学年下の西田はVリーグへ。道が分かれたため、同じチームでの国際大会出場は2017年のアジアユース以来となる。刺激を受け合い、成長する姿を見せてくれるに違いない。

 今回、シニアの国際大会に初めて名を連ねた富田将馬(東レ)、永露元稀(ウルフドッグス名古屋)、村山豪(ジェイテクト)は、いずれもキラリと光る個性の持ち主だ。

 富田は東山高校の後輩、高橋藍に勝るとも劣らないオールラウンダーで、2021-22Vリーグでは攻守でその能力を遺憾なく発揮した(レシーブ賞を受賞)。富田の強みは、状況に応じてさまざまな工夫ができるところにある。世界を相手にしても多彩な技が通用するのか、注目したい。

 永露は待望の大型セッターであり、ブロックやサーブでもチームに貢献できる強みがある。2021年度天皇杯や2021-22Vリーグでそれを実証し、セッターとしての能力を上げていくフェーズに入った。「トスのスピードや精度の向上に努めている」と言う192cmの永露が、チームに入るとどのような化学変化が起きるのか、興味深い。

 村山は、アウトサイドもこなせる器用さと、高校、大学を通してトップチームで磨きをかけた洞察力が武器の選手だ。コートに立つ前からしっかり準備ができていて、得点チャンスを逃さない。2021-22Vリーグでは新人賞を受賞した。日本チームに新風を吹き込む可能性を秘めていている逸材だけに、代表デビューが待ち遠しい。

 世界のトップ16チームが出場するVNL2022の予選ラウンドは、各チームが12試合を戦い、その結果に基づき順位を決定する。日本は6月 8日(水)が初戦となり、オランダと対戦する。2年後のパリ五輪に向けて走り出したブランジャパンの、まずは初戦に注目だ。

【VNL予選ラウンド第1週 ブラジル大会日程】
6月8日(水)現地 18:00 日本 翌6:00 vsオランダ
6月9日(木)現地 15:00 日本 翌3:00 vs中国
6月10日(金)現地 18:00 日本 翌6:00 vsアメリカ
6月12日(日)現地 13:00 日本 翌1:00 vsイラン
※6月7日(火)、11日(土)は日本の試合なし
※BS-TBSにて日本戦全試合放送
【VNL 第1週 男子日本代表メンバー】
1.西田有志
にしだ ゆうじ
所属/ビーボ・バレンティア(イタリア)
ポジション/オポジット
出身地/三重県
出身校/海星高校(三重)
年齢/22歳
身長/187cm
最高到達点(スパイク)346cm
最高到達点(ブロック)330cm
☆東京五輪代表

2 小野寺 太志
おのでら たいし
所属/JTサンダーズ広島
ポジション/ミドルブロッカー
出身地/宮城県
出身校/東北高校(宮城)→東海大学
年齢/26歳
身長/200cm
最高到達点(スパイク)343cm
最高到達点(ブロック)330cm
☆東京五輪代表

5.大塚 達宣
おおつか たつのり
所属/早稲田大学4年
ポジション/アウトサイドヒッター
出身地/大阪府
出身校/洛南高校(京都)
年齢/21歳
身長/194cm
最高到達点(スパイク)338cm
最高到達点(ブロック)325cm
☆東京五輪代表

6 山内 晶大
やまうち あきひろ
所属/パナソニックパンサーズ
ポジション/ミドルブロッカー
出身地/愛知県
出身校/名古屋市立工芸高校(愛知)→愛知学院大学
年齢/28歳
身長/204cm
最高到達点(スパイク)354cm
最高到達点(ブロック)335cm
☆東京五輪代表

8 関田 誠大
せきた まさひろ
所属/クプルム・ルビン(ポーランド)
ポジション/セッター
出身地/東京都
出身校/東洋高校(東京)→中央大学
年齢/28歳
身長/175cm
最高到達点(スパイク)324cm
最高到達点(ブロック)305cm
☆東京五輪代表

10 髙橋 健太郎
たかはし けんたろう
所属/東レアローズ
ポジション/ミドルブロッカー
出身地/山形県
出身校/米沢中央高校(山形)→筑波大学
年齢/27歳
身長/202cm
最高到達点(スパイク)361cm
最高到達点(ブロック)350cm

11 富田 将馬
とみた しょうま
所属/東レアローズ
ポジション/アウトサイドヒッター
出身地/愛知県
出身校/東山高校(京都)→中央大学
年齢/24歳
身長/190cm
最高到達点(スパイク)345cm
最高到達点(ブロック)320cm

12 髙橋 藍
たかはし らん
所属/日本体育大学3年
ポジション/アウトサイドヒッター
出身地/京都府
出身校/東山高校(京都)
年齢/20歳
身長/188cm
最高到達点(スパイク)343cm
最高到達点(ブロック)315cm
☆東京五輪代表

13 小川 智大
おがわ ともひろ
所属/ウルフドッグス名古屋
ポジション/リベロ
出身地/神奈川県
出身校/川崎市立橘高校(神奈川)→明治大学
年齢/25歳
身長/176cm
最高到達点(スパイク)312cm
最高到達点(ブロック)290cm

14 石川 祐希
いしかわ ゆうき
所属/パワーバレー・ミラノ(イタリア)
ポジション/アウトサイドヒッター
出身地/愛知県
出身校/星城高校(愛知)→中央大学
年齢/26歳
身長/191cm
最高到達点(スパイク)351cm
最高到達点(ブロック)327cm
☆東京五輪代表

16.宮浦 健人
みやうら けんと
所属/ジェイテクトSTINGS
ポジション/オポジット
出身地/熊本県
出身校/鎮西高校(熊本)→早稲田大学
年齢/23歳
身長/190cm
最高到達点(スパイク)347cm
最高到達点(ブロック)320cm

20.山本 智大
やまもと ともひろ
所属/堺ブレイザーズ
ポジション/リベロ
出身地/北海道
出身校/とわの森三愛高校(北海道)→日本体育大学
年齢/27歳
身長/171cm
最高到達点(スパイク)301cm
最高到達点(ブロック)299cm
☆東京五輪代表

21.永露 元稀
えいろ もとき
所属/ウルフドッグス名古屋
ポジション/セッター
出身地/福岡県
出身校/東福岡高校(福岡)→東海大学
年齢/25歳
身長/192cm
最高到達点(スパイク)335cm
最高到達点(ブロック)325cm

26 村山 豪
むらやま ごう
所属/ジェイテクトSTINGS
ポジション/ミドルブロッカー
出身地/東京都
出身校/駿台学園高校(東京)→早稲田大学
年齢/23歳
身長/192cm
最高到達点(スパイク)341cm
最高到達点(ブロック)317cm

オンラインでバレーボールを思考する、「TEAM VRAVO NEXt」#考動バレー が始動。

受講希望の中学バレー部・クラブチームを募集しています
TEAM VRAVO NEXt は「#考動バレー」を合言葉に、選手が自ら考え、判断し、行動する
きっかけ作りを全力で支援いたします。Designed by TOYAMA

リアルな活動にオンラインでの活動をプラスして、考える力を伸ばそう!

■概要

コロナ禍により部活動がままならず、2020年に入学した中2の皆さんは満足にクラブ活動ができないまま、今日に至っているのではないでしょうか。かつてない状況下で、成長の機会を失っているバレーボール部の活動を支援したいという思いから、元日本代表の浅野博亮さんをはじめトップクラスの講師陣を誇るVRAVO N+様と、コンテンツ制作を得意とするバレーボールNEXt がタッグを組んで「TEAM VRAVO NEXt」を立ち上げました。
体で覚える「リアルなクラブ活動」に、マインドと思考を鍛え、視野を広げる「オンラインクラブ活動」をプラスして、選手自身が主体的に考え、判断し、行動する力を伸ばしませんか。TEAM VRAVO NEXt は、講師陣がファシリテーターとなって選手の皆さんと一緒にバレーボールをテーマに対話し、考えを広げる場。リアルな活動に活かせる学びができるよう工夫しています。考え方を学ぶことは、競技力の向上はもとより、学校生活の充実にもつながります。バレー界初の試みとなる 「#考動バレー」 をぜひ体験してください。
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【アジア選手権】日本が準決勝進出。途中出場の大宅、大竹が流れを変えた!

男子のアジア選手権は、17日に千葉ポートアリーナ他で順位決定予備戦2日目を行い、日本はオーストラリアに3-0(25-23、25-17、25-23)で勝利して勝点を6とした。前日まで1位につけていた中国もカタールに3-2で勝利し勝点で並んだが、セット率差で日本がE組1位となり、18日に行われる準決勝はF組2位のチャイニーズタイペイと対戦する。

前日、中国に敗れた日本。果たして、気持ちを切り替えて臨むことができるのか。滑り出しが心配されたが、第1セット中盤まではミスが重なり、決して良い状態とは言えなかった。ベンチは2回目のテクニカルタイムアウトをオーストラリアに取られた時点で2枚替えを決断。セッター藤井(前衛)のポジションにオポジット大竹壱青を、オポジット宮浦健人(後衛)のポジションにセッター大宅真樹を入れた。

「中国戦では2枚替えでの起用もなく、スタッフから信頼を得られていない自分に苛立ちを感じた」という大宅は、このチャンスを絶対にものにする、という強い気持ちで臨んだという。その気持ちを結果に結びつけるために、自身に課したのが「丁寧にトスを上げること」と「チームに火をつけること」だ。自分一人の力では難しい後者の課題を実現するために、同期で頼れるエース石川祐希にトスを集めようと考えていた。小野寺太志の好サーブでブレイクのチャンスを作ると、大宅が打ちやすいトスを石川へ。この1点をきっかけに石川もギアを上げて、日本は6連続得点で逆転に成功した。その後もオーストラリアの追撃をしのぎ、第1セットを奪うと、第2セットは序盤からチーム力を発揮した。大宅、リベロ山本智大のディグが冴える。石川も攻撃だけでなく、サーブやセットアップでも地力を発揮。前衛ではミドルブロッカー李博が躍動し、日本は4連続得点と好スタートを切った。さらに中盤、リードを広げる機会が訪れた。小野寺同様、サーブ力に定評のある李が、サービスエースを含む好サーブで6連続得点に貢献。ブレイクのチャンスでは好調の大竹や石川が得点を重ねて日本はセットを連取した。

ミラクルなプレーでチームの勝利に貢献した大竹。中垣内監督は活躍を喜びながらも、「ミラクルでは安定しない。ロジカルなプレーを」と、さらなる成長を期待していた。

第3セットは中盤の4連続失点がひびき終盤まで接戦となったが、好守でチームを支える山本がここでも魅せた。23-23からオーストラリアの大砲、トーマス・エドガーの強烈なサーブをきっちりセッターに返し、小野寺のクイック攻撃でマッチポイント。その小野寺がサーブにまわり、山本の気迫がチームに乗り移ったかのように、李がエドガーの攻撃をシャットアウトして勝利をものにした場面は見応えがあった。一人ひとりが自信を取り戻し、自分の仕事を果たせるチームに戻っていた。

ゲームを作った大宅は「チームが勝利し、(自分にとっても)自信がもてる試合になったと思う」と振り返った。大竹も、自身の力を発揮できたことに充実感を味わっていた。アジアチャンピオンまであと2戦。2人に続き、出場機会が少ない大塚達宣、福山汰一、小川智大がコートに立つ機会は訪れるのか。準決勝のチャイニーズタイペイ戦ではそこにも注目し、チーム一丸となっての勝利に期待したい。

強打に強い山本智大。この試合でも真骨頂を発揮した。

【アジア選手権】中国に敗れた日本。準決勝進出はオーストラリア戦勝利が条件に。

男子のアジア選手権は、16日に千葉ポートアリーナ他で順位決定予備戦を行い、予選グループリーグ戦を3連勝で突破した日本(A組1位)は、中国(C組2位)と対戦。セットカウント1-3(19-25、29-27、21-25、19-25)で敗れて初の黒星を喫した。コンディション不良でベンチスタートだった石川祐希が、予選グループリーグ戦3日目にコートに立ち、インドに圧勝。アジアの強豪と対戦する順位決定予備戦での活躍に期待が高まったが、この日は個の力が噛み合わず、どのセットも中国に連続得点を許す苦しい展開で、日本は勝ち点を伸ばすことができなかった。

終わってみれば、サーブ(中国8得点/日本3得点)とブロック(中国17得点/日本1得点)による得点差が勝敗を分けた一戦だった。宮浦健人が「サーブが狙いどおりにいかず、リベロに集まってしまった」と話したように、日本はサーブで揺さぶることができず、逆に相手のサーブで守備を崩され、攻撃が単調になりがちに。石川は「中国の強みであるブロックで点を奪われ、相手を乗せる形になってしまった」と、反省を口にした。

チームは対戦相手のデータを収集、分析し、サーブレシーブの位置取りやサーブの狙いどころなど、戦術を選手と共有して試合に臨んでいるが、狙いどおりに展開できない場合はそのつど修正が必要になる。この日はベンチも含めて、有効な対応取れなかったことが課題として残る一戦となった。

順位決定予備戦では予選グループリーグ戦で当たったチームとは対戦せず、予選グループリーグ戦の対戦成績が持ち越されるため、17日に行われる日本(勝点3/2位)対オーストラリア(勝点2/4位)、中国(勝点4/1位)対カタール(勝点3/日本とはセット率差で現在3位)の結果により順位が決定し、上位2チームが18日に行われる準決勝に進む。どのチームにも準決勝進出のチャンスがあるため、難しい試合になることが予想されるが、次戦に向けて石川は、「全員がベストコンディション、ベストなメンタルで試合に臨んでくれるはず。オーストラリアもブロックが高いチームだが、(中国戦でうまくいかなかったところを)修正し、自分がリズムを作っていく」と、決意を口にした。チーム一丸となっての勝利に期待したい。