9月14日(土)にバレーボールのワールドカップが幕を開けた。ドミニカ共和国に勝利し、幸先のいいスタートを切った日本女子は、翌日のロシア戦でも接戦を繰り広げた。その立役者となったのが石川真佑(東レ/19歳)だ。初戦はリリーフサーバーだったが、ロシア戦では途中出場で攻守に力を発揮。「気持ちを立て直して臨んだ」という第2セット以降、会場を大いに沸かせた。そして、第3戦の韓国戦ではスターティングメンバーに名を連ね、チーム1の17得点を挙げた。
石川真佑の成長に期待、高まる
石川は、今シーズン、U20世界選手権とアジア選手権に出場。2大会でMVPを受賞し、優勝に大きく貢献したことを評価されてメンバー入りしたが、シニアでどこまでできるかは未知だった。レフト頼みのゲーム展開の中、ロシアの高いブロックに苦戦する場面も見られたが、めげずにぶつかっていけたのは若さの恩恵もあったに違いない。ワールドカップはまだ始まったばかり。4年前、兄の石川祐希がそうだったように、大会が終わるころには日本代表に欠かせない選手に成長しているかもしれない。10月1日(火)から始まる男子も、チームの進化につながる選手起用を期待したい。

男子は持ち味の異なるアウトサイドが多数登録された
男子日本代表は現在、アジア選手権<イラン/~9月21日(土)>に挑んでいる。10月1日(火)から始まるワールドカップも、そのメンバーが中心となることは間違いないが、25名の登録メンバーに名を連ねる下記の11名にも出場のチャンスがある。
※男子ワールドカップ登録メンバーは、アジア選手権に出場している14名と下記11名の計25名
<アウトサイド>
久原 翼(パナソニックパンサーズ/188cm/24歳)
栗山雅史(サントリーサンバーズ/190cm/31歳)
浅野博亮(ジェイテクトSTINGS/178cm/28歳)
樋口裕希(堺ブレイザーズ/191cm/23歳)
新井雄大(東海大学/188cm/21歳)
<オポジット>
大竹壱青(パナソニックパンサーズ/201cm/23歳)
<ミドル>
出耒田 敬(堺ブレイザーズ/200cm/28歳)
伏見大和(ジェイテクトSTINGS/207cm/28歳)
<セッター>
深津英臣(パナソニックパンサーズ/180cm/29歳)
深津旭弘(JTサンダーーズ広島/183cm/32歳)
<リベロ>
井手 智(東レアローズ/174cm/27歳)

ポジション別に見るとアウトサイドが断然多い。それだけに「新戦力の起用もありうるのでは? 」と期待が高まる。攻撃力が持ち味の栗山雅史、守備力に定評のある浅野博亮に加え、若手が3名選ばれた。1人は社会人3年目の久原 翼(最高到達点/スパイク339cm・ブロック320cm )だ。攻守にそつのないオールラウンダーで、大きな舞台にも動じない気持ちの強さが魅力。今年はネーションズリーグにも出場した。ピンチの場面でもコートに送り出せる安心感という意味では、若手の中で一歩リードしている。社会人1年目の樋口裕希(最高到達点/スパイク345cm・ブロック320cm)もオールラウンダーだが、ミドルブロッカーとしてプレーしていた時期が長く、ハイボールを含むさまざまなトスに対する対応力は成長段階といえる。しかし、伸び盛りであることに加え、ブロック技術が秀逸で、チームのブロック力向上に貢献できる力を持っている。コースを狙えるサーブ力も強みだ。

大学3年生の新井雄大(最高到達点/スパイク350cm・ブロック330cm)は日本代表の中でもトップクラスの最高到達点を誇る。高さだけでなくパワーも兼ね備えており、破壊力のあるスパイクやサーブが持ち味の選手だ。大学ではオポジットに起用されているためアウトサイドでの試合経験は少ないが、将来性で高い評価を受けており、この夏は練習生としてシニアの国際親善試合に出場した。現在、新井は秋季関東大学リーグ戦に出場しているが、ワールドカップ期間中は試合が行われないため、声がかかっても問題はない<男子1部は9月29日(日)の後、10月19日(土)から再開>。
今大会は登録選手25名から、毎試合、24時間前までに最大14名の選手を登録することができる。ルール上は11試合のいずれかに、ピンポイントで新メンバーを起用することもできるため、東京2020につながる、積極的な選手起用を期待したい。

【アジア選手権メンバー】
<アウトサイド>
福澤達哉・石川祐希・柳田将洋・髙野直哉
<オポジット>
清水邦広・西田有志
<ミドル>
山内晶大・李博・髙橋健太郎・小野寺太志
<セッター>
藤井直伸・関田誠大
<リベロ>
古賀太一郎・山本智大