ユニバシアード、アルゼンチンを下しベスト8進出!

男子バレーは8日、予選ラウンド第3戦をイタリアと戦い、セットカウント0−3(22-25、19-25、19-25)で敗れたが、2勝1敗同士の対戦となった9日の予選ラウンド最終戦でアルゼンチンをストレート(25-20、25-23、25-18)で破り、ベスト8進出を決めた。イタリアがメキシコに勝ったため、グループ2位での進出となり、11日12時(日本時間19時)より行われる準々決勝ではロシアと対戦する。

ユニバスタメン

8日、イタリア戦を振り返り、「チームのコンセプトが崩れてしまったことです。サイドで勝負するチームではないのに、その勝負に行って点をあげてしまったということですね」と松井監督が敗因を上げたように、イタリア戦ではこれまでに軸としたセンター線からの攻撃が目に見えて少なかった。「向こうは個々のレベルが高く、 それに加えてチームのシステムがしっかりしていたので、トスを上げていて、相手ブロックの高さもうまさもあってすごく苦労しました。スパイカーに負担をかけてしまいました」と、セッターの小林はイタリアを意識しすぎてしまったことを悔いた。

イタリアの選手は全員セリエA1かA2でプレーするプロ選手。ユニホームもシニアと全く同じ。「実際に試合が始まってみればそれほどすごいチームではないということがわかったはずなのに、やってきたことと違うバレーをしてしまいました」と松井監督が言うように、チーム全体が平常心で戦っていなかった結果、グループ戦首位通過の目標を果たせなくなってしまった。

一晩明けての最終戦。アルゼンチンはイタリアから2セットを先取(フルセットで敗戦)している侮れない相手。向こうもベスト8進出にはこの試合に勝つしかなく、緊張のせいか互いに失点の多いスタートとなった。しかし、日本は序盤で高梨が連続エースを奪い、緊張が解けた。これまで通りクイック、パイプを軸にポイントゲッターの宮浦で勝負する展開。サーブで攻めてブロックで仕留めるよい展開でリードを奪い、第1セットを奪った。

勝負を分けたのは第2セット。中盤、相手への挑発行為で双方が注意されるなど、気持ちが高ぶる中でも、小林のトス回しにブレはなかった。終盤、ヒートアップしてミスを連発したアルゼンチンに対して、日本は全員が高い集中力を見せ、宮浦が冷静にセットポイントを奪うと、最後は高梨が気持ちのこもったスパイクでブロッカーの指をはじき、このセットを奪った。

第3セットのスタート、主審が両キャプテンを呼び双方にレッドカードを示した。試合後に審判に理由を聞くことができなかったが、おそらく熱くなっている両チームに「頭を冷やしなさい」とのことではなかったのだろうかと推測する。このレッドカードにより、第3セットは1−1、ワンプレーが終わったとの判断で、ローテーションをひとつ回されたところからのスタートとなった。

その影響はアルゼンチンに大きく表れた。監督はヒートアップし、コート内も冷静さを欠いていたように見えた。日本は持ち味であるセンター線を軸とした攻撃で着実に得点を重ね、最後は樋口のこの試合4点目となるブロックポイントで勝負を決めた。

準々決勝で対戦するロシアは、前回大会で敗れている相手。大型チームを相手に自分たちのバレーを貫き通して雪辱を果たせるのか、注目したい。

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樋口のこの日4点目のブロックポイントで試合を締めくくった

 

**松井監督インタビュー

Q.昨日の敗戦からの見事な勝利、おめでとうございます。短い時間でどのような立て直しをしたのでしょうか。
「昨日のイタリア戦は、相手が強いとか、プロチームだとか、そういうことを意識しすぎてしまい、自分たちが気負いすぎてしまったり、相手を過大評価してしまったりして、自分たちらしさを失ってしまったところがあったんですね。

ただ、僕が見てきた中で、選手たちはずっと自分たちの良さを追求してきていたので、それをもう1回見直してみようということで整理してみたらこういう形になりました」

Q.1セット目をいい展開で取れて落ち着いたのでは?
「そうですね。昨日は3セットとも、テクニカルタイムアウトを5対8で迎えるという、ビハインドの状態でした。自分たちがうまく攻められない状態になっていましたが、今日は常に先へ先へと行っていましたので、それも含めて攻めがうまく行ったのではないかと思います」

Q.宮浦選手へのトスが昨日と違い、突っ込むような感じで打つことができていて、面白いように決まっていましたね。
「そうですね。少し早くしたというのがあります。小林が多分、調整したのだと思います。小林が宮浦の調子を見たり、相手ブロックに応じてトスの速さを変えたりしていますので、それが2人の間でできていたことは立派だったと思います」

Q.高梨選手も試合を通して持ち味を発揮することができましたね。
「健太の良さはパワーです。(相手ブロッカーの)タッチボールを弾く力強さを持っていながら、それを出せずに、技で行こうとしていたのですが、自分の良さとは何かに戻って、やり抜いたことでいい結果に結びついたと思います」

Q.リベロの小川選手についてはどのような評価をされていますか。
「小川は合宿から、大会に入って試合を重ねるごとに、リベロとしての役割、すなわちチームのコーディネイトを果たせるようになりましたね。もともと役割は理解していたけれども、この予選は軸がブレることなく、より深く理解してしゃべれるようになっていったので、素晴らしいと思います」

Q.樋口選手、高梨選手がアウトサイドとしての経験が浅いということもあり、カバーしていこうとする姿が見て取れますよね。
「そうですね。1本目は自分が取るという意識を持っていますし、ジャンプフローターに対しては取れないところを自分が取って行こうとしています。合宿から、守備範囲を広げるということがテーマでしたけど、この大会でも練習でやってきたことを実現できたということは素晴らしい成長だと思います」

Q.準々決勝の相手はロシアになりますが、どのように戦おうと考えていますか。
「相手の力はどうかわかりませんが、1位通過のチームですし、前回、準決勝で負けています。ずっとチャンピオンを取ってきているチームなので、我々がやってきたことをまず出せるかどうか。相手に力を出せなようにされてしまう可能性もあるのですが、それでもひるまずに、自分たちがレセプションアタックをしっかり切っていく。ワンチャンスあればディグアタックで切り返していくということをミーティングで確認したいと思います」

Q.明日、ようやく1日空きますからね。
「4連戦でしたからね。ゆっくり休ませて、ロシア戦に臨みたいと思います」

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イタリア戦では宮浦頼みになってしまい、3枚ブロックに付かれるシーンも少なくなかった

 

 

勝岡選手インタビュー

Q.イタリア戦でコートに立ちましたが、いかがでしたか。
「サーブレシーブは、そんなに回数は多くなかったとはいえ、悪くはなかったんですけど、攻撃面や、チームの雰囲気を変えるといった点では役割を果たせませんでした」

Q.3セット目の中盤、レフトからスパイクを2本連続でストレートにミスをしました。
「1本目はトランジションからのトスで、僕も開ききれずに不十分なジャンプでのスパイクでしたので、ブロックタッチではじくことを狙ったのですが、ブロックに当てることができませんでした。2本目に関しては完全に自分のミスヒットです」

Q.ああいうミスが出てしまうのは、久しぶりの出場というのも影響しているのですか。
「それは関係ないと思います。気持ちの部分です。僕は普段あまりストレートに打たないんですけど、ブロックが高かいし、ストレートが空いているのが見えたので、決して得意ではないそっちに打ってしまいました。得意なクロスではなくストレートに逃げてしまったという思いです」

Q.今日は失敗だったとしたら、同じ失敗をしないためには何が必要ですか。
「常日頃から松井監督は『相手がどうのではなく、それぞれが持っているものを出し切って、自分たちのバレーをしよう!』って言ってます。今日の試合の自分を思い返すと、持っているものを出せなかったと思うんです。自分の持ち味を活かすんだったらクロスに打って、仮にブロックされてもその方が自分の全てを出し切って戦ったという結果になるので、逃げずに戦いです。そのためにベンチにいるときから体と気持ちの準備をしていきたいです」

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今大会、初めて長時間出場した勝岡は、自分のプレーを酷評した

 

 

高梨選手インタビュー

Q.(アルゼンチン戦を終えて)大活躍でしたね。
「スイス戦では力んでしまって自分のイメージするようなプレーができなくて、ミスを出して自滅してしまっていたんですけど、今日は開き直れたことがいい結果につながったと思います」

Q.2セット目の最後の1本は、ものすごき気持ちの入った1本に見えました。
「特別な感情を込めた1本ということはありませんが、この絶対に負けられない1戦戦っていく上で、いい場面でも悪い場面でも気持ちを整えて試合を進められたのがよかったと思います。ずっと気持ちが急ぎすぎていて、松井監督からも『もうちょっと落ち着いて、ブロックをもっとよく見た方がいいよ』と言われていて、それを意識しました。スイス戦以降、心がモヤモヤしていた部分があったのですが、今日、ようやっとそれが晴れました」

Q.次はロシアですが。
「高いというのはわかっていますので、慌てず、焦らず、今日のように平常心でいつも通りにプレーできれば、自分の力を試せると思います。自分ひとりで戦っているわけではないので、チーム全員で助け合いながら、ロシアに挑んでいきます」

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アルゼンチン戦で大活躍の高梨。2セットを締めくくった1本

 

樋口選手インタビュー

Q.グループ戦が終わりました。
「4月に肩を怪我してなかなかコンディションが上がらずにいたのですが、このチームはチームのルールが明確で、具体的にやるべきことがハッキリしているので、やりやすいです」

Q.イタリア戦での敗戦から一晩でどう立て直したのですか?
「今日の試合で負けると下位トーナメントに回るというのはみんなわかっていたことで、どうしても勝たなければいけない試合だったのですが、“何としても勝とう!”というよりは“自分たちのやるべきことをしっかりやろう!”というのが今日も目標でした。100%ではありませんでしたけど、ある程度はできたと思いますが、つまらない失点もあったので、逆に言えばまだまだこのチームは進化できると思います」

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本人的にはまだまだ満足なプレーができていないという樋口だが、経験の浅いポジションを柔軟にこなしている

 

小川選手インタビュー

Q.これまでの戦いをふりかえってください。
「メキシコ戦、スイス戦といい形で終えることができたのですが、勝負だと思っていたイタリア戦では自分たちのプレーが全然できてなくて、後ろから見ていてもみんな慌てているのがわかったし、自分自身も何を声かけすればいいのかわからないくらい冷静さを欠いていました。力の差はそれほどでもないと思っていたのに、何もできずに負けてしまいました。高さはあるけど雑でもあるし、でもしっかりと決めるべき所は決める。世界のトップってこういうことなんだというのをシニアに行く前に経験できたのはよかったと思います。負けたら終わりというアルゼンチン戦はプレッシャーを感じていましたけど、いい勝利を挙げられたので、トーナメントに向けていい形で締められたと思います」

Q.自分自身の出来はどう評価していますか。
「いわゆるスーパープレーは出せていませんが、落ち着いてプレーできていると思います。チームがガタついたときはどういう声をかけるとか、こういったプレーをすればチームを落ち着かせることができるだろうとか、周りのことを気にしながらプレーしています。スタッフの方が出してくれるデータがしっかりしているので、すごくやりやすいのですが、僕が複雑にさせてしまっている部分もあったので、データを取り入れながら、もっとうまく動きたいと思います」

Q.このチームで2年目となりますが。
「去年のアジアカップでは光輝や樋口に頼っていた部分が多かったのですが、今回は中心選手として頑張ろうと思って集合しました。そういうことも意識しながらトーナメントに臨みます」

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守りの要と同時にコート内での支柱となるリベロの小川

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