ユニバーシアード初戦はメキシコに快勝!

イタリアのナポリをメイン会場に3日に開幕した第30回夏季ユニバーシアードは6日、大会5日目(一部競技は2日に始まっているため)を迎え、日本男子バレーチームはメキシコとの初戦を行い、ストレート(25-15、25-21、25-20)で勝利。メキシコは前日にアルゼンチンと同会場で試合を行い、会場も大会の雰囲気も経験済みであったが、立ち上がりから一気に4−0とリードを奪い、幸先のいいスタートとなった。
vsMEX

 

チームの定義を遂行し、手応えのある1勝

選抜チームで、かつ約半数が大学生のチームは、シニアの代表のように長期間の合宿を行うことができず、このメンバーでの練習時間は決して多くない。個の能力ではなく組織で戦わなければ体格面で勝る海外チームに勝つのは厳しい中で、松井監督が大切にするのは「チームの定義」だ。約束事を決め、その必要性を理解し、全員で遂行する。まさに組織バレー。

その定義のひとつに「ミドル、パイプの攻撃を増やし、相手のミドルブロッカーをセンターゾーンに釘付けにする」がある。

この試合、全攻撃のうちミドルによるクイックが25%、パイプが20%で、センターゾーンからの攻撃が全体の45%を占めた。総得点のトップはオポジットの宮浦で13得点だったが、パイプも打つアウトサイドヒッターの樋口と高梨がそれぞれ12得点と8得点、さらにミドルブロッカーの村山が9得点と、ひとりの選手に偏っていないことがわかる。

メキシコは高さはあるものの、プレーが粗く、チャンスボールが返ってくるシーンが多かった。とはいえ、この数字は特筆すべき点と言える。今後、さらに精度の高いチームと対戦するときにこれが維持できるのかという課題はあるが、ユニバーシアードはどのチームも相手の情報が乏しく、当然他チームも今日の日本を分析する。その時に「日本はセンターゾーンが多い」と擦り込むこともひとつの戦略である。

前回の台北大会では準決勝でロシアに敗れ銅メダルだった日本。目標とするファイナル進出、さらには金メダル獲得に向けて、上々のスタートを切ったと言える

 

松井監督インタビュー

——初戦を終えてみて、いかがですか。
「相手は2戦目で僕たちにハンデがあったにもかかわらず、勇気を持って戦ってくれたと思います。今回は“若さ”“明るさ”“個の強さ”をテーマにやってきて、それを自分たちで全部だそうとしてくれていました。それだけで今日は満点を上げます」

——今後、もっと強豪と戦うことになりますが、改善すべき点はありますか。
「サーブレシーブが乱れたときに少しバタバタして連続失点がありましたので、その時に耐え、失点にならないような形を作っていかなければと思います」

——今日の試合で特に評価できる選手は?
「樋口、高梨ですね。サーブレシーブに安定感がありました。それと小川。位置取りなどディガーとしてのアレンジメントがよくできていました」

——攻撃面はいかがですか。
「高さのあるブロックに対してよく見て打てていましたし、全体的に悪くはありませんでした」

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守りの中心の小川(左)、高梨(中)、樋口(右)

 

小林主将インタビュー

——試合を終えてみての感想をお願いします。
「チームの完成度としてはまだまだですけど、初戦にしてはうまく試合運びができたのではと思います」

——チームとして満足できる点は。
「相手は高さのあるチームでしたけど、ブロックの位置取りがよかったと思います。その結果ブロックポイントも出ましたし、ディグがよく上がっていたんじゃないでしょうか」

——セッターとしてはいかがですか。

「余裕のある場面ではいろいろなことを試しました。コンビもまだまだ全然合っていないので」

——半年ちょっと前まで何年も一緒にやっていた村山選手、宮浦選手とのコンビが合っていないように見えるのですが。
「そうですね。早稲田の時と1本目を触る選手が違うので、そこのリズムの違いからあの2人と合わせ切れていませんね。全体のリズムが合ってくれば大丈夫だと思いますが、これは実戦を積むしかありません」

——これからどんどん強い相手になって行きますが。
「今日より明日、明日よりあさって、僕たちもどんどん進化して、決勝に向かいたいと思います」

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昨年のアジアカップに続き主将を任された小林

 

村山選手インタビュー

——初めてのユニバーシアード、いかがですか。
「欧米の選手を相手にするのは初めてで、今まで経験したことのない高さもあったんですけど、先輩たちがやりやすい環境を作ってくれて、いいスタートが切れたと思います」

——ウクライナとの練習試合や今日の試合でも何本かブロックされましたけど、その対策は見えてきましたか。
「ブロックが出てくる前に早く打つとか、出てきても脇を抜く、あるいは指先でワンタッチを取ることです」

——小林選手のトスを久しぶりに打っていますが。
「半年ちょっとのブランクがあるので、まだ合っていないですね。でも、長いこと一緒にやっていましたから、試合を重ねるごとに合わせられると思います」

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代表戦デビューの村山。高いブロックへの対応にはもう少し時間が必要

 

樫村選手インタビュー

——試合を終えての感想をお願いします。
「個人的には緊張もなく試合に入れたのですが、プレーがついてきていなくて、ちょっと不満足です」

——どういう点に満足できてないのですか。
「世界の高いブロックに対して打ち分けなどが甘くて得点につながらなかったり、逆にブロックされたりしたのが悔しいです。自分が万全な助走が取れた時はいいのですが、パスが早かった時の上がり際での打ち方が微妙で、それを改善しなければなりません」

——ブロックに関してはどうですか。
「このチームはリードブロックを基本としていますので、僕は遅れてもまっすぐ手を出して、きちんと形を完成させることを心がけています。ブロックポイントに関しては相手が勝手にぶつけてくれただけで、中途半端な、おろそかなブロックをしないことです」

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この日の試合での自己評価は低かったが、直前のウクライナとの練習試合では大活躍をした

 

※男子は5チームによるグループ戦で、日本がいるDグループはメキシコの他、アルゼンチン、スイス、イタリア。大会初日の5日に試合がなかった日本は6日から4連戦となる。グループ戦の順位によって次のステップが変わってくるが、メダルを狙うためにはグループを2位以上で通過する必要がある。出場20チーム全てに順位を確定させるため、全チームが最終日まで試合がある。

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