バレーボールのネーションズリーグ(以下VNL)予選ラウンド男子東京大会が、6月7日(金)~9日(日)に武蔵野の森総合スポーツプラザ(東京都調布市)で行われた。前週のセルビア大会を1勝2敗(セルビアに勝利)で終えた日本は、東京大会でアルゼンチンに勝利したものの、世界ランキング1位のブラジル、アジアの雄、イランに敗れて1勝2敗。トータル2勝4敗で、14日(金)から始まるブルガリア大会に臨むことになった。
会場に多くの観客。「その前でもっと勝つ姿を見せたかった」(中垣内監督)
東京での国際大会は、2016年のリオ五輪世界最終予選以来、実に3年ぶりになる。大会前日の会見から「多くの観客の前で試合ができることが嬉しい。世界と戦える力があることを示したい」と話していた中垣内祐一監督。初日のアルゼンチン戦(世界ランキング7位)は4200人の観客が見守る中、チームの顔である石川祐希、柳田将洋を軸に、理想的な試合展開に持ち込んだ。特に石川は28得点と、チームを勝利に導く活躍を見せて会場を大いに沸かせた。その効果は大きく、翌日のブラジル戦は7200人が会場を訪れた。イラン戦も日曜の夜の試合にも関わらず、6000人が会場で声援を送った。
中垣内監督は「ブラジルはともかく、イランには勝利する可能性があると思っていただけに、一度もリードを奪うことなく敗れたのは残念。(観客に)選手の良いプレーや、チームとして勝つ姿をもっと見せたかった」と肩を落とした。日本のエース石川は、「セルビア大会もそうだったが、3連戦のうち、しっかり戦えているのはデータが頭に入っている初戦だけ。その後は(データに基づく)対応力やコンディションが落ちて個人のミスが増える。そこは改善が必要」と冷静に振り返り、「次のラウンド(ブルガリア大会)では変わった姿を見せたい」と話した。

東京大会から福澤・古賀・出耒田がメンバー入り
VNLは、世界のトップ16チームが参加。予選ラウンドは5週間に渡り3連戦して、1回戦総当たりの計15試合を戦い、その結果により、開催国のアメリカと予選ラウンドの上位5チーム(アメリカを除く)が、7月10日~14日(日)にシカゴで行われるファイナルに進出する。世界を転戦しながらの3連戦が5週間続くハードな大会のため、各国ともファイナル進出を目指しながらも、選手のコンディションを考え、メンバーを入れ替えながら戦っている。
日本は2019年度代表メンバーを全員エントリーし、大竹壱青(#1)・深津英臣(#2)・山内晶大(#6)・柳田(#8)・井手智(#9)・西田有志(#11)・関田誠大(#12)・高野直哉(#13)・石川(#14)・李博(#15)・高橋健太郎(#16)・久原翼(#17)・小野寺太志(#20)・山本智大(#22)の14名が先陣を切った。
イタリアで親善試合を2試合(1勝1敗)行い、セルビア大会へ。初戦のセルビア戦で勝利し幸先の良いスタートを切ったが、ロシア、フランスに敗れた。東京へ戻ると、肩を故障したミドル高橋に代わり、出耒田敬(#7)を召集。久原、井手に代わり、コンディション調整のためにセルビア大会を見送った福澤達哉(#5)と、今季ポーランドリーグに出場し合流が遅れていた古賀太一郎(#10)をメンバーに加えた。

柳田将洋は「6、7割のコンディション」と自己評価
3連戦のため、日本は主に第1戦と第3戦に出場するチーム(仮にA)と、第2戦に出場するチーム(仮にB)に分けている。現在、Aチームには石川、関田、李、小野寺、西田らが定着しているが、中垣内監督は(チームが求めている)クイック、パイプの本数が少ないことを理由に、今年2月に左手を骨折し、調整中の藤井直伸(#3)の招集を示唆した(※11日に深津に代わり藤井の加入を発表)。また、石川の対角には「高さのある攻撃はもとより、ブロックやサーブレシーブができる選手が望ましい」と話し、現時点では「高野のブロック、サーブレシーブは柳田以上」と評価した。
その柳田は、今年2月に左足首を骨折し、ポーランドリーグのシーズン途中で帰国。現在も「昨シーズンと比べて6、7割のコンディション」と自己評価する。アルゼンチン戦ではAチームでプレーし「今日できるクオリティは出せた」と、納得の表情を見せたが、完全復帰にはもう少し時間がかかりそうだ。

目を引くリベロ山本と、ベテランの味を発揮した福澤
「3番手のリベロとして招集したのだが…」そんな監督の評価を、いい意味で裏切っているのが初代表のリベロ山本だ。セルビア大会からブロックフォローやディグで力を発揮しており、日本が粘り強いバレーに持ち込むきっかけを作っている。中垣内監督は山本をAチームで起用し続ける理由を「育成のため」と話した。「古賀の実力はある程度把握している」とした上で、「シニアでの経験を積ませて伸ばす必要がある」と、山本への期待をほのめかした。山本も「チャンスをものにして、まずはこの大会で最後まで戦いの場にいたい」と、意気込んでいる。
ベテランの福澤も、東京大会でしっかりと存在感を示した。今季、初のプレーはブラジル戦となったが、コートに入るや目の覚めるような攻撃で得点を奪いチームを勇気づけた。サーブレシーブでも、オーバーハンドで難しいボールをさばく技術が光った。チームの状況を客観的に見極め、自分の力をどう役立てるかを考えて行動できる福澤の存在は、今季もチームに欠かせないものになりそうだ。
世界のトップチームと対戦するVNLで、選手は実力をアピールし、スタッフはチーム構想にハマる選手を見極めている。高さで劣る日本が、世界を相手に勝つためのチーム作りには時間がかかるが、この後の3大会で、チームはどのように変貌を遂げるのか、注目だ。

今後のネーションズリーグの日程
- 第3週ブルガリア大会(Varna・Palace of Culture and Sports )
6月14日(金)17:00(23:00)~日本vsイタリア/20:40(翌2:40)~ブルガリアvsオーストラリア
6月15日(土)17:00(23:00)~オーストラリアvsイタリア/20:40(翌2:40)~日本vsブルガリア
6月16日(日)17:00(23:00)~日本vsオーストラリア/20:40(翌2:40)~イタリアvsブルガリア【第3週テレビ放送予定】
■6月14日(金) 日本×イタリア 【LIVE】23:00~ BS-TBS
■6月15日(土) 日本×ブルガリア 【LIVE】26:30~(翌2:30~) BS-TBS
■6月16日(日) 日本×オーストラリア 【LIVE】22:54~ BS-TBS - 第4週アメリカ大会(Hoffman Estates・Sears Centre Arena)
6月21日(金)~6月23日(日) - 第5週ドイツ大会(Leipzig・ARENA LEIPZIG)
6月28日(金)~6月30日(日)[ファイナル]
日程:7月10日(水)~14日(日)/ 開催地:シカゴ(アメリカ)
出場6チーム:(1)開催国・アメリカ (2)アメリカを除く予選ラウンド上位5チーム
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あまりいい記事とは言えない。石川は乱れだしたら修正不可能に陥りやすいから、他メンバーがそれに引きずられないようにしなければ勝てない。福沢はそれができないし、言うほどサーブレシーブのミスも少なくない。
高野はいいパフォーマンスをしていると思うが、マークされだしてからが本当の評価になるのではないかな。
藤井のトスも不安定になりやすいから、誰がスタメンと固定するのは難しいと思う。
本来なら石川を下げるべき時がもっと増えてもいいとすら思う。
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怪我をしている柳田よりサーブレシーブとブロックがいいと言うことは、完治していない今でサーブとスパイクは柳田がいいということか 監督は堺の選手を出したいだけだろ
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