強い早稲田。新年度も全勝で4季連続優勝! 春季関東男子1部リーグ戦

2019年度春季関東大学男子1部バレーボールリーグ戦は、5月18日に浦安市総合体育館で最終日を迎え、早稲田大が新年度も堅実なチーム力を発揮して、4季連続の優勝を遂げた。同大会は12チームによるリーグ戦(1回戦総当り)で行われる。1チームの試合数は11試合だが、早稲田大は失セット数のトータルがわずか3セットという群を抜いた強さを見せた。

早稲田大、強さの秘密は4年生のリーダーシップ

リベロの堀江友裕(4年)がケガから復帰。前年のインカレメンバーからリベロを含め4人が入れ替わった早稲田。それでも変わらない強さについて松井泰二監督は「4年生のリーダーシップが大きいと思う。4年生とはどうあるべきか。勝つための行動とはどういうものか。そういう哲学的なものが、代が変わっても受け継がれている」と話した。今リーグについては「(12月の)全日本インカレに向けて計画を立てているのでチームづくりはほとんどしていない。基礎を重視した練習の中でどこまでできるか。そういう状況の中でサイドアウト率が相当高かった。レセプションアタックは合格点を与えられる」と振り返った。

リーグ戦の合間に出場した黒鷲旗全日本選抜大会(5月1日~6日/以下、黒鷲旗)では、V1の堺、豊田合成、V2の富士通を破り、グループ戦を1位抜けする快進撃を見せた。「(Vリーグチームとの戦いの中で)1本目の大切さがわかったのか、日々の基礎練習に取り組む雰囲気が締まり、精度が上がっている」と褒めた。

注目の1年生、大塚達宣(アウトサイド)は全試合にスタメン出場。攻撃だけでなく、守備でもチームに貢献し、黒鷲旗の若鷲賞に続き、同大会でも新人賞と会長特別賞を受賞した。大塚は「(大学に入学し)環境も立場も変わって精神的な疲れはあったが、スタッフの皆さんのおかげで長い期間、ケガもなくパフォーマンスを維持できた。それが結果につながったと思う」と振り返った。松井監督は大塚の総合力を評価する。「4年生と同じ気持ちで戦える」(松井監督)、クレバーな選手だけに、これからが楽しみだ。

戦力がかみ合い、東海大が2位に躍進

2位には、安定的にチーム力を発揮した東海大が入った。小澤翔監督がチームを率いて3年目。これまで小野寺太志(2017年度主将/2019日本代表/JT)、永露元稀(2018年度主将/2018アジア大会代表/豊田合成)らを擁しながらも結果を出すことができず、チームづくりに苦心してきたが、今年度は山崎彰都(4年/アウトサイド)、新井雄大(3年/オポジット)、佐藤駿一郎(1年/ミドル)らを軸に勝ち続けて、打倒早稲田の最有力候補であることを結果で示した。早稲田大との直接対決では、直前に新井が捻挫。ベストメンバーで臨めなかっただけに、次回こそは、という思いが強いだろう。

3位から8位は力が拮抗。混戦の中、昨年度の秋季リーグ戦で2部から昇格した専修大の健闘が光った。実力のあるチームとの対戦が続いた前半戦では、藤中3兄弟(謙也・サントリー/優斗・ジェイテクト)の末っ子で、守備のいい藤中颯志(2年)がアウトサイドのほか、セッター対角やリベロに起用される試合が見られた。スタメンが定着せず、4連敗を喫したが、筑波大を倒すと波に乗り、4連勝して勝敗を五分に戻した。その立役者となったのが、3年生で主将を務める東拓巳(アウトサイド)だ。1、2戦は途中出場だったが、3戦目以降スタメンに定着するとチームが落ち着いた。1年生の中村太陽(アウトサイド)も戦力になりつつあり、今後が楽しみだ。

セッター道井淳平(4年/196cm)、ミドル川口柊人(1年/200cm)、鬼木錬(1年/204cm)ら大型選手を積極的に起用し続けた日本体育大は、7位と悔しい結果に終わった。主将の仲本賢優(4年/アウトサイド)は「育成も勝つことも大事。もっと練習しなければいけない。全日本インカレに向けて、一人ひとりが技術力と人間力の両面をレベルアップできるように頑張る」と、決意を言葉にした。

11位の東京学芸大と12位の慶應義塾大は、5月25日に行われる入替戦に出場。東京学芸大は2部2位の国士舘大と、慶應義塾大は同1位の青山学院大と対戦する。

 

【最終成績】

1位 早稲田大(11勝0敗)
2位 東海大(10勝1敗)
3位 明治大(7勝4敗・セット率1.316)
4位 中央大(7勝4敗・セット率1.278)
5位 筑波大(6勝5敗・セット率1.158)
6位 専修大(6勝5敗・セット率0.864)
7位 日本体育大(5勝6敗・セット率0.870)
8位 駒澤大(5勝6敗・セット率0.818)
9位 順天堂大(4勝7敗)
10位 日本大(3勝8敗)
11位 東京学芸大(1勝9敗・セット率0.344)
12位 慶應義塾大(1勝9敗・セット率0.267)

※セット率:全得セットを全失セットで割ったもので、数値が大きいほど上位となる

 

【個人賞】

〈最優秀選手賞〉
堀江友裕(早稲田大 #1/リベロ/開智高卒)

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〈敢闘選手賞〉
山崎彰都(東海大 #4/アウトサイド/東北高卒)

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〈ベストスコアラー賞〉
岡本捷吾(順天堂大 #19/オポジット/開智高卒)

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〈スパイク賞〉
村山豪(早稲田大 #7/ミドル/駿台学園高卒)

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〈ブロック賞〉佐藤駿一郎(東海大 #28/ミドル/東北高卒)

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〈サーブ賞〉
宮浦健人(早稲田大 #8/オポジット/鎮西高卒)

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〈レシーブ賞〉
村本涼平(早稲田大 #4/アウトサイド/洛南高卒)

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〈セッター賞〉
中村駿介(早稲田大 #10/大塚高卒)

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〈サーブレシーブ賞〉
外崎航平(東海大 #9/リベロ/東海大四高卒)

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〈リベロ賞〉
堀江友裕(早稲田大 #1/開智高卒)

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〈新人賞〉
大塚達宣(早稲田大 #18/アウトサイド/洛南高卒)

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〈会長特別賞〉
大塚達宣(早稲田大 #18/アウトサイド/洛南高卒)

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〈優勝監督賞〉
松井泰二(早稲田大)

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〈ベストオブサポート賞〉
筑波大・
東海大

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