バレーボールのVリーグ、V1チームのJTで2シーズン、豊田合成で5シーズンプレーし、両チームを優勝に導いたイゴール・オムルチェン(元クロアチア代表)が、日本でのプレーを最後にバレーボール選手を引退し、3月29日に帰国した。帰国直前のインタビューをまとめた。
将来が楽しみな選手が多いので日本の将来は明るい
ー日本のバレーボールについてお話ください。
「自分が日本に来た当初と比べて、大会の進め方においてVリーグは格段と進化していると思います。外国人の指導者を招聘するチームが増えていますし、それにより日本人選手も成長して、より高いレベルで競争が激しくなっています」
ー日本代表の試合の映像を見たことはありますか。
「もちろん! ここ2、3年、レベルアップしていると思います。その一因は数名の選手が海外でプレーしていること。向こうで経験を積むことはとてもいいことだと思います。日本のバレーにとっては、選手がもっと海外に出て勝負したほうがいいと思います。来年はオリンピックイヤーです。これまで以上に日本チームのことをフォローして見たいと思います」
ーW杯や東京オリンピックで日本はどのくらい勝負できると思いますか。
「残念ながら今の時点ではヨーロッパの強豪には及ばないかもしれませんが、日本の若い選手には潜在能力の高い選手がたくさんいます。彼らの成長と現在の代表選手との融合を楽しみにしたいと思います。将来が楽しみな選手が多いので期待できるのではないでしょうか」
ー海外で勝負できそうな選手を挙げるとすると?
「リベロの選手は勝負できるのではないかと思います。日本の特徴であるいいレセプション、いいディフェンス、速い攻撃、そこは世界に引けを取らないところなので、そういう技術を兼ね備えた選手は十分勝負できると思います。誰とは言えませんが、例えば豊田合成の選手を見ても一生懸命練習して、レベルアップして競争力が上がっているので、チャンスは十分にあると思います」
ー出場機会のない選手は移籍すべきだと思いますか。
「おっしゃる通りです。日本は企業スポーツなので移籍をよしとしないところがありますが、いいコーチングをしてもらえる、試合に出場できる環境があれば機会を求めるべきだと思います」
ー最後に、日本の若い選手に向けてメッセージをお願いします。
「日本の状況はわかっています。自分の人生を考えれば大きな企業のチームに入りたいと思うのは当然。気持ちはわかりますが、そこは勇気を持ってもらい、バレーボールのことを一番に考えてチームを選んでもらいたいです。また、Vリーグの若い選手には、非常にいい環境でバレーボールができていることを認識し、練習(特にフィジカル面の向上)にしっかり取り組んで成長して欲しいと思います」
