日本バレーの次世代エース候補、大塚達宣(早稲田)が大学リーグで躍動

2019年度春季関東大学男子1部バレーボールリーグ戦が4月6日(土)に幕を開けた。新チームで臨む初めてのリーグ戦。今年度も春高バレーを制した洛南のエース大塚達宣(早稲田大)、セッター山本龍(東海大)をはじめ多くの選手がポジションを獲得し、大学デビューを果たした。まずは新セッターで臨み、連勝スタートを切った3チームにフォーカスする。
《前編》

【早稲田大】新セッターは中村駿介。アウトサイドには村本涼平と大塚達宣

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昨年の全日本インカレでベストリベロ賞を獲得した村本をアウトサイドに起用した早稲田大

昨年度、大学タイトルを総ナメにした早稲田大は、アウトサイドの藤中優斗(ジェイテクト)、鵜野幸也(堺)、セッター小林光輝(ジェイテクト)らが卒業しスタメンが大きく変わった。新たに加わったのは村本涼平(4年/洛南高/181cm/アウトサイド)、中村駿介(3年/大塚高/186cm/セッター)、大塚達宣(1年/洛南高/194cm/アウトサイド)だ。村本は昨年、膝の手術をした堀江友裕(4年・主将/開智高/184cm/2018年度日本代表)に代わりリベロを務めた選手だ。重藤トビアス赳(1年/荏田高/190cm)を起用する選択肢もあったが、堀江のパフォーマンスが完全とは言えない状況の中で、松井泰二監督はディフェンシブな村本を選んだ。スタメンに堀江、武藤鉄也(東亜学園高/189cm/ミドル)、村本と4年生を3人起用することでチームは安定。セッター中村が持ち味である組み立てのうまさを発揮する中で、日本代表の次世代エースとして期待される大塚も攻撃だけでなくディグでも献身的なプレーを見せており、今後が楽しみだ。

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膝の手術を経て、約1年ぶりにコートに復帰した堀江
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U21日本代表セッターを務める中村

 

<大塚達宣選手 インタビュー>

ー開幕戦を終えて、今の気持ちを教えてください。

「プレーだけでなく、プレー以外のところもしっかりしているのが大学だと思います。どのチームも同じだと思いますが1年生にはやるべき仕事があるので、そういうこともしっかりやりながら、こうしてコートでプレーさせてもらえるのはありがたいことだと思います。ただ、コート上では学年は関係ないと思いますし、立たせてもらっている以上は責任を持ってプレーしなければいけないと思っています」

ー試合後、すぐコートの片付けに参加していましたね。

「はい。先輩が気づいて気づかってくれました。コートの中の先輩方もプレーが切れたところで声をかけてくれました。実は緊張していて、先輩方にもそう話していたので、声をかけてやりやすい環境を作ってくれたのだと思います。まだ始まったばかりですが、すごくいい先輩といい環境の中でバレーができていると思います」

ー緊張していたとは思いませんでした。

「してました。だから先輩には『1セット待ってもらっていいですか』ってずっと言ってました(笑)。5セットマッチなので、1セット目は先輩に頼っても、2、3セット目で巻き返せばいいかなと考えていて、その通りになったというか、徐々に自分らしいプレーができるようになったのでよかったです」

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新人らしいはつらつとしたプレーを見せた大塚は、二日間でチーム一の54本のスパイクを放ち、59.3%の決定率を残した

ー後衛ではディグも頑張っていましたね。

「リベロの堀江(友裕)さんがすごく質の高いプレーをされます。周りの選手へ指示も的確なので、すごい方とバレーができているなと思います」

ー滑り込んでディグをした後に、走ってパイプに入る姿を見て、気持ちが入っているなと思いました。

「パイプはサボらずに入ろうと心に決めています」

ー洛南の細田監督が課題にあげていた「自分に持ってこいという気持ち」は出していけそうですか。

「はい。出していけると思います。接しやすい先輩ばかりで、1年生やけど自分を出しやすい環境なので、どんどんボールを呼べると思います」

ー大学生活は始まりましたか。

「入学式とオリエンテーションに参加しました。授業は8日(月)から始まります。自分の好きなスポーツ科学の分野を学べるということで、好奇心を持って勉強も貪欲に頑張りたいと思います」

ー高校でも勉強を頑張ってきたので、そこは問題ないですね。

「そうですね。授業は欠かさずに受けて、バレーではプレーだけでなく1年生の仕事などもしっかり頑張って、充実した大学生活を送っていきたいと思っています」

 

 

【筑波大】新セッターは阿部大樹。ミドルにはエバデダン・ラリー

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新セッター阿部と新入生のでミドルのスタメンを担ったエバデダンのコンビ

Vリーグで内定選手として活躍した樋口裕希(堺/2019年度日本代表)、酒井啓輔(東レ)が抜けた筑波大は、ミドルにエバデダン・ラリー(1年/松本国際高/195cm)、セッターに阿部大樹(2年/埼玉栄高/180cm)を起用。アウトサイドの小澤宙輝(4年/甲府工高/187cm/2018年度日本代表)、坂下純也(3年/駿台学園高/191cm)を軸に、吉田綜眞(4年/福井工大福井高/187cm/オポジット)、高橋結人(4年・主将/福井工大福井高/173cm/リベロ)、山口拓海(4年/高崎高/168cm/リベロ)ら、試合経験豊富な4年生がチームを支えて2連勝と好スタートを切った。しかし秋山央監督は「リーグ戦が始まって、樋口、酒井ら先輩の偉大さを実感しているのでは?」と手厳しい。ゲームキャプテンの小澤は「最上級生になり、どうすれば下級生がやりやすい環境を作れるか、周りの選手を輝かせることができるか。そういうことを考えながら取り組んでいる。勝ってスタートできてホッとしているけど、チームとしてはまだまだ。リーグを戦いながらチーム力も個人のスキルもレベルアップできるようにしていきたい」と話した。これから9試合を戦う中で、チームとしてどのように成長していくのか。4年生のリーダーシップに期待するとともに、ベンチ入りしている注目の新入生、西川馨太郎(清風高/194cm/ミドル)、垂水優芽(洛南高/187cm/アウトサイド)がいつ、どのような形でコートに登場するのか、注目したい。

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ゲームキャプテンとなった小澤
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派手さはないが堅実なプレーを見せる坂下

 

 

【東海大】新セッターは山本龍。ミドルには佐藤駿一郎

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腰痛に悩まされてきた新井だが、今季はその痛みからも解放され、持ち前の高さと勝負強さが戻ってきた

小澤翔監督が就任して3年目。就任直後の春季リーグ戦で優勝を遂げて以来、リーグ戦では不本意な成績が続いていた東海大に、タイトル奪還の兆しが見えている。ポイントゲッターの新井雄大(3年/上越総合技術高/188cm/オポジット/2018年度日本代表)が万全のコンディションで試合に臨めていることが大きい。大学界随一の高さ(最高到達点352cm)が戻り、これまで以上に力強くチームを牽引している。今春、東北高から入学した佐藤駿一郎(204cm/ミドル/2018年度日本代表)も、佐藤謙次(サントリー)の後釜に座り、ポテンシャルの高さを示した。開幕戦は緊張からか振るわなかったが、翌日の順天堂大戦ではアタック決定率72.7%(打数11本)、ブロック決定本数7本(セット平均2.33本)と大活躍。この日は新井もブロックが好調(5得点)で、チームのブロック決定本数は14本(セット平均4.67本)に及んだ。最終戦まで佐藤がしっかり準備して試合に臨めれば大きな戦力になりそうだ。永露元稀(豊田合成/2018年度日本代表)の後を継いだのは、春高優勝セッターの山本龍(1年/洛南高/185cm)だ。大学のコートでも立ち居振る舞いは高校時代と変わりなく頼もしい。攻撃力のあるチームだけに、サーブレシーブが山本の手に入れば優位に試合を進められる。サーブレシーブを担うアウトサイドの山崎彰都(東北高/188cm)、伊藤樹(花巻東高/186cm)、リベロの外崎航平(東海大四高/170cm)ら4年生の頑張りにも期待したい。

 

<佐藤駿一郎選手&山本龍選手 インタビュー>

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春高優勝セッターと昨年の全日本選出ミドル。新人コンビで4季ぶりの優勝をめざす

ー大学での生活が始まりました。今、どのような気持ちですか。

山本「自分にとって厳しい環境でやらせてもらうことが大事なので、4年間しっかり頑張っていきたいと思っています」
佐藤「自分は厳しい環境でやって来なかったので毎日が大変ですが、レベルの高いところでバレーボールをやらせてもらえて満足しています」

ー春季リーグの開幕戦からコートに立てる選手は一握りですが、どのようなところが評価されていると思いますか。

佐藤「自分は高さだと思います」
山本「多分(佐藤選手は)ブロックと、相手ブロッカーがコミットで来ても上から打てるところだと思います。相手は(佐藤選手が)コートにいるだけで嫌ですよね」

ー東海大のブロックは他チームにとって脅威になると感じました。

山本「全員高いですよね。中でも(新井)雄大さんはエグいです。びっくりするくらい跳ぶし試合に強いので、(セッターとしては)頼りすぎてはいけないと思っています。そこは考えています」
佐藤「いろいろな大学に上手なミドルがいるので、そういう選手を見習って自分のものにしていきたいです」

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二日間8セットで11本のブロックを決めた佐藤

ー気になる選手はいますか。

佐藤「明治大の三輪(大将)さんや早稲田大の村山豪さんです。スタイルは違いますが、速さがあるし、打つコースもうまいと思うので、そういうところを真似したいです。Vリーグでは李(博)さんです。身長はそんなに高くないですが、その分、速さで勝負していますよね。僕も高さは今以上にならないと思うので、速さで勝負できるようにしていきたいです」

ー目線は日本代表ですね。

佐藤「今年は選んでもらえませんでしたが、高いレベルを目標に一から頑張っていきます」

ー山本選手の自己評価は?

山本「う~ん」
佐藤「自分が思うに、(山本選手は)トス回しがうまくていろいろなところからセンター線を使えます。そのため相手のブロックが1枚になったり、1.5枚になったりするので、(アウトサイドの)スパイカーは打ちやすいと思います。高さもあるので、そこも買われていると思います」

ー春高で頂点に上り詰めた経験も大きいのでは?

山本「高校では日本一を獲りましたが、大学に入って今の自分が通用するかというと、まだ自信がないです。1年生なので経験が足りないですし、技術やメンタルも足りないので、春リーグも大事ではありますが、これから全カレ(全日本インカレ)に向かっていく中で、しっかりとしたプレーができるようにしたいです」

ー目指している選手はいますか。

山本「目標にしているのはVリーグの藤井(直伸)さんです。藤井さんさんのように、自分にしかできない何かを身につけて『山本龍』のプレースタイルを確立したいです。チームが勝つのが一番ですが、他のチームのセッターと勝負する時に、学年に関係なく技術で勝てるように練習を頑張っていきます」

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1年生ながら、堂々としたトス回しで連勝に導いた

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