10月20日(土)に深谷ビッグタートルで行われた秋季関東大学男子1部バレーボールリーグ戦最終日は、早稲田大が本来の強さを発揮して、逆転優勝を狙う筑波大を3−1で破り、優勝を勝ち取った。これで今季3冠を達成。11月26日から始まる全日本インカレ連覇、今季4冠という偉業に向けて、弾みのつく優勝となった。
攻守に堅実なバレーを見せた早稲田が昨年に続き秋を制す
久しぶりに最終日に優勝チームが決定する、おもしろい展開となった。この日、9勝1敗の早稲田大、8勝2敗の筑波大、日本体育大の3チームが優勝の可能性を残して最後の戦いに挑んだ。
第2試合で順天堂大と対戦した日本体育大は、筑波大が3−2で勝利という条件付きながらもストレート勝ちなら優勝の可能性がある。「ワンチャンかけて戦った」と主将の高梨健太が話したように、1、2セットは危なげなく奪ったが、第3セットを落としたため、その時点で次に行われる早稲田大対筑波大の勝者が優勝を手にすることになった。
早稲田大は昨年度から続く連勝記録を今リーグでも伸ばしてきたが、「連勝というプレッシャーで自分たちがつぶれてしまった」(小林光輝/4年)。「日本体育大に敗れた後も(立て直しに)苦しい部分があった」(藤中優斗/主将)と話すように、決して万全ではなかった。
一方の筑波大も、前週、日本体育大が敗れたことにより自力優勝の目は出たが、「(この1週間)みんなで話していたのは『優勝することよりも目の前の相手、早稲田に勝とう』ということ」(樋口裕希/主将)。いつもどおりを心がけてコートに立った。
第1セット序盤は互いに探り合いの様相だった。しかし要所で筑波大にミスが出て、早稲田大が優位に立つ展開。小澤宙輝(3年)のスパイクや樋口のブロックなどで途中、猛追したが、再びミスで点差が開くと、終盤は早稲田大の攻撃が勝り、第1セットは早稲田大が奪取した。

「負けて悔しいというよりも、自分たちがやってきたことを出せずに終わってしまった。それが悔しい」と、試合後、樋口が振り返ったように、続く第2セットは、悩む筑波大に対し、エンジンのかかった早稲田大が序盤から飛ばす展開。セッター小林はミドル武藤鉄也(3年)、村山豪(2年)を軸に、サイドをうまく使い、早稲田大が難なく2セットを連取した。第3セットは23−23から筑波大が意地を見せてセットを奪ったが、その後も流れは変わらず。早稲田大が3−1で筑波大を下して優勝を手にした。
9月8日(土)から約1ヶ月半に渡り、チームを引っ張ってきた早稲田大の藤中、小林は、「優勝で締めくくることができてよかった」とホッとした表情。エースらしい活躍が光った鵜野幸也(4年)は「(優勝がかかった試合で)力を出し切ることができた」と、晴れやかな表情を見せていた。
この敗戦で3敗となった筑波大は、2敗を守った日本体育大と順位が逆転し、最終結果は下記の通りとなった。
【最終結果】
優 勝 早稲田大学 10勝1敗
2 位 日本体育大学 9勝2敗
3 位 筑波大学 8勝3敗
4 位 明治大学 7勝4敗(セット率1.647)
5 位 東海大学 7勝4敗(セット率1.368)
6 位 中央大学 7勝4敗(セット率1.263)
7 位 順天堂大学 6勝5敗
8 位 日本大学 4勝7敗
9 位 駒沢大学 3勝8敗
10位 東京学芸大学 2勝9敗(セット率0.481)
11位 国士舘大学 2勝9敗(セット率0.464)
12位 慶應義塾大学 1勝10敗
【個人賞】
《最優秀選手賞》 藤中 優斗(早稲田大学①)
《敢闘選手賞》 西村 信(日本体育大学⑳)
《ベストスコアラー賞》 新井 雄大(東海大学⑲)
《スパイク賞》 三輪 大将(明治大学㉑)
《ブロック賞》 樋口 裕希(筑波大学①)
《サーブ賞》 齋藤 浩貴(駒沢大学⑬)
《レシーブ賞》 藤中 優斗(早稲田大学①)
《セッター賞》 小林 光輝(早稲田大学②)
《サーブレシーブ賞》 水島 健(日本大学㊵)
《リベロ賞》 小川 智大(明治大学①)
《会長特別賞》 村山 豪(早稲田大学⑭)
《Best of support賞》 筑波大学