アジアカップ男子、銅メダルを下げて凱旋!

8月8日(水)から15日(水)まで、台北(チャイニーズタイペイ)で行われていた第6回アジアカップで銅メダルを獲得した日本代表チーム(松井泰二監督)が、16日、笑顔で帰国した。出迎えた日本バレーボール協会ハイパフォーマンス支援部の紀伊良文部長から小林光輝キャプテンに花束が贈られ、健闘が讃えられた。

松井監督は、「チームをつくる時間が8.5日しかない中で、どう作るかがキーワードだった。ゲームを通して、段々とチームの方向性見えてきた。手応えをつかんだのがはオーストラリア戦(上位を目指す上で絶対に勝たなければならない順位決定予備戦)だった。開催国のチャイニーズタイペイ、カタールなどシニアのチームも出場している中で、選手たちはよく戦ったと思う。チャイニーズタイペイに0−2のビハインドから勝利したことには自信をもっていいと思う」と話した。

〈選手インタビュー〉

・小林光輝(早稲田大4年)

初めての国際大会だったが、チームのキャプテンかつ司令塔のセッターという重責を担った。2m超えの選手が揃うシニアチームを相手に攻撃の組み立てを行った経験は、今後の選手人生で財産になるはずだ。

「大学生ばかりのチーム。波があって短い期間でチームを作ることが難しかったです。試合に入るまで足を引っ張っていて、チームが安定しなかったのですが、大学の中心選手が多かったので、それぞれの考えを出し合い、みんなでチームを作っていきました。(大学の監督でもあるため)松井監督の考えはわかるので、それをチームに浸透させながら、それぞれのよさがでればいいと思ってやっていました。自分のことでいっぱいいっぱいの時に支えてくれた、(同じ早稲田大の藤中)優斗の存在も大きく、ありがたかったです。レベルの高いシニアチームとの戦い方を学べたので、自分としてもチームとしても次に生かしたいです」

 

・樋口裕希(筑波大4年)

これまで多くの国際大会メンバーに選出されてきたが、ミドルブロッカーとしてスタメンでフル出場は初めての経験。これまで蓄えてきた力を爆発させた。松井監督も「今大会、もっとも安定していた選手」と称賛。世代を代表する選手としての存在感が増している。

「ミドルで選ばれて試合に出ることが初めてだったので、新鮮な気持ちでこの大会に入りました。スタメンで出ることができて楽しかったです。結果的に3位になって、最後もサービスエースでおいしいところをいただきました。あのサービスエースは狙っていたので、得点できて嬉しかったです。今大会では10点サーブポイントを取ることができました。サーブは教育実習が終わってからずっと練習していて、自分の技術も上がっていたし、狙い目も頭に入れていて、それを試合の中でしっかり使うことができたので、こういう結果につながったのだと思います。速いクイックにも挑戦していて、手応えをつかむことができました。相手の高さに圧倒され、課題が残ったところもありましたが、全般的にすごく実りのある大会でした。いろいろな経験ができて自信がつきました」

 

・勝岡将斗(大阪産業大4年)

2017アジアU23以来、この世代では欠かせない攻守の要に成長。今大会でも、すべての試合でスタメン出場し、銅メダル獲得に貢献した。

「去年のアジアU23は初めての国際大会。自分の力がどれだけ通用するかを知りたくて思い切りいけました。その後、世界U23にも出させてもらい、今回は3回目の国際大会でした。去年の経験を生かして、いろいろとチャレンジしようと思っていましたが、考えすぎてしまい、チームに迷惑をかけてしまいました。チームの戦術を授けられた時に、自分の苦手があると実行できないので、求められた戦術を実行できる力をつけなければいけないと思いました」

 

・小川智大(明治大4年)

大学での国際大会出場は初めてだが、非常にいい働きをしてチームをもり立てた。ボールコントロールがうまく、アンダーでのトスも多彩。劣勢でも立ち向かう、メンタルの強さも光った。

「目標としていた優勝に届かず、悔しいです。準決勝で負けた後、気持ちを上げるのが難しかったですが、とにかくメダルを日本に持ち帰りたいという気持ちがみんなにあったので、負けた日の夜に選手だけで集まって『3決は絶対に勝って帰ろう』と話しました。キャプテンの小林を中心に、樋口、勝岡、藤中らが力を尽くす姿を見て、さすが、各大学の主将をやっているだけあるなと感じました。コートの中では頑張ってリーダーシップを取ろうとしましたが、コートの外では周りの4年生に助けてもらいましたし、チームづくりも勉強もさせてもらいました。チャイニーズタイペイ戦は完全アウェイでした。そういう中でプレーすることができたのもいい経験になりました」

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ベストリベロを獲得した小川(右端、明治大学バレー部のTwitterより)

 

・高梨健太(日本体育大4年)

抜群の攻撃力が魅力だが、今季はその力を発揮できていない。今大会でも途中出場が多かったが、3位決定戦ではサーブやスパイクでチームに貢献。今大会を機に復活が期待される。

「このメンバー、選手、スタッフの皆さんと戦えたことを幸せに思います。勝負どころで同じミスをしまったのが今回の反省点です。それがスタメン入りできなかった要因かもしれません。どうしてそうなってしまったのかを、これから考えていかなければいけないと思います。ずっと結果がついてきていないので、残りの大学の試合で優勝できるように頑張ります」

 

・藤中優斗(早稲田大4年)

大学ではアウトサイドヒッターだが、今大会はリベロで選出された。スタメンリベロは小川に譲るかたちでベンチワークが中心となったが、松井監督のチームづくりを誰よりも知る選手として抜群のリーダーシップを発揮した。

「リベロだったとしても、スタメンでコートに立たないことが初めての経験だったので、どういうふうにチームをサポートすればいいのか、試合中はベンチからどう声を出したり、盛り上げたりすればいいのかを考えながらやってきました。チームとしては成果を上げることができましたが、個人としては人生で一番と言っていいくらい、試合に出られないことが悔しかったので、その思いを無駄にしないで次に生かしていきたいです」

 

・仲本賢優(日本体育大3年)

4年生中心のメンバー構成の中で、ディフェンシブなアウトサイドヒッターという自身の持ち味を発揮し、スタメンの一角を自分のものにした。この経験は自信になったはずだ。

「今年はケガをして(大学の)春リーグも半分くらい出られませんでした。出遅れた分をなんとか取り戻そうと思ってやってきたので、その気持ちが伝わったのかもしれません。スタメン出場は自分でもびっくりしました。個人的には悔いが残るというか、まだまだだなということを実感した大会でした。頭ではわかっていても、相手のブロックが自分の想像の上をいっていて思うようにいかないところがあったので、対応を考えていかなければいけないと思いました。高さがない分、ディフェンスや、失点をしないというところで存在感を出していかなければいけないポジションなので、もっとうまくなって安定的なプレーヤーになっていきたいです。こういう経験をさせてもらった以上、次につなげていかないと意味がないので、チームに戻ってからも意識して練習して、また選んでもらえるように頑張ります」

 

・富田将馬(中央大3年)

今大会で見せた滞空力のあるスパイクは、世界にも通用する高さや対応力を感じさせた。ものおじせずに攻めていけるところも富田の持ち味。初めての国際大会だったが、ポテンシャルの高さを発揮し、今後の成長に期待がかかる。

「出番は少なかったですがいい経験になりました。カタール戦で少し出て、ブロックの高さを実感。スパイクの打ち方を考えてチャイニーズタイペイ戦で試したのですが、最初はうまくいきませんでした。途中からスパイクが決まり出したので、(深く考えず)勢いで行くしかないと思いました。その試合はめっちゃ調子がよくてジャンプができていたので、第3セット以降は自分の力を出せたと思います。国際大会は今回が初めての出場でした。ブロックは高いし、向こうはめっちゃ拾うし、みたいな感じで結構苦しい場面が多かったんですけど、高さのある相手でも自分がどうやって打ったりレシーブしたりすればいいかがわかったような気がしたので、いい経験になったなと思います。次は自分たちが最上級生になので頑張っていかなければいけないと思っています」

 

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