藤中優斗「ヤバいやつらと勝ちに行く」

6月21日(木)から24日(日)まで、墨田区総合体育館他で、64校が参加して東日本インカレ(東日本バレーボール大学選手権大会)が行われます。開幕に先駆けて、関東大学春季リーグ戦で優勝した早稲田大のキャプテン、藤中優斗選手(4年)にインタビューしました。

 
兄は肝が据わっている。僕はまだまだ。

▶1年生からレギュラー出場。4年目にして存在感が増しているように思いますが、どのように感じていますか。

僕自身、ぐいぐい引っ張っていくタイプではないのですが、キャプテンになったからには先頭に立って、みんなについてきてもらえるように、プレー面はもちろん、普段の行動も意識しています。ただ、チームがうまく回らなかったり、雰囲気が悪かったり、負け始めたりすると、(キャプテンとして)どういう行動をとるべきか考えてしまう部分もあって、内容的には、チームとしても個人としても納得がいっていない中で、春(リーグ)を勝てたのはよかったです。

▶昨年のインカレ優勝をコートで経験したメンバーのほとんど残っていて、どのチームよりも安定しているように感じますが、一番苦労しているのはどのようなところですか。

自分のプレーに関してですね。ポンコツなので、それをいかに克服するかで苦労しています。周りからは「平然としている」と言われるのですが、メンタルが弱いので課題ばかりです。試合中は落ち込んでます(笑)。ヤバいヤバいヤバいって思ってます(笑)

▶テンパってるということ?

そうです。テンパってます。例えば2枚キャッチで自分のほうばかりにくると、狙われているのかな、と思って勝手に崩れてしまうんです。レセプションが乱れてもスパイクを決めればいい、と言えるだけの自信があればいいのですが、ないので、ブレてしまうのだと思います。

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学生選抜ではリベロを務めるほど守備には定評がある

▶兄の謙也選手(サントリー)、弟の颯志選手(専修大)もバレーボーラーとして活躍しています。以前、本誌で謙也選手と兄弟対談をさせてもらった時に、やんちゃな次男坊というイメージをもったのですが、違うのですか。

すごく気にしたり、落ちたりするので、そこはしっかりしなければいけないと思っています。

▶兄弟の前でもそんな感じ?

兄弟の中では僕が一番おしゃべりですね。兄はハッキリしているというか、男って感じなので、たぶん僕は自分の弱いところを隠したいからしゃべっているのだと思います。普段、みんな(仲間)といても、周りにそう見られたくないので、よくしゃべっています(笑)。

 

ヤバい奴らと勝ちに行く

▶今年のチームの目標は「個を大きくする」と聞いています。これは4年生から出た目標なんですか。

「毎年、新4年生で話し合ってチームの方針というか、目標を決めるのですが、今年は昨年からメンバーが変わらないので、東日本インカレあたりまではチームづくりよりも個を大きくすることに力を入れて、秋リーグあたりからチームを固めていき、全日本インカレに向かおうということになりました。ですから春リーグでは、フェイントをほとんど使わずに、思いっきり打ち込むなど、大きなプレーを心がけていました。

▶キャプテンはどのようにして決めたのですか。

同期で話し合って決めました。(小林)光輝とか、よりキャプテンシーを持っている人がいるのですが、セッターなので、その役割を全うしてほしいということもあり、そういう中で同期が僕を選んでくれました。

▶どんなふうに受け止めましたか。

僕でいいのかな、と思いました。これまでも、一番上の学年になるとキャプテンをしてきました。でも、全然結果を残せなかったので、自分はキャプテン向きの性格ではないと自分で思ってしまっている部分があるんですよね。そうは言っても、キャプテンとしての経験は必ずプラスになるので、やるからには頑張ろうと思ってやっています。

▶リーグ戦では、試合後に4年生が集まって話をしている姿が見られました。

そうですね。「一番上がしっかりしよう」ということは4年生の中で常に出ていることなので、試合に勝っても4年生の中で課題がたくさん出て来てきます。『ミーティングしようぜ』という言葉も自然と出て来るので、そういう意味では同期に支えられながらやらせてもらっているという感じです。

▶スタメンにも要所に4年生が入っていて、それがチームの安定感につながっているように思すのですが…。

武藤(鉄矢)にしても村山(豪)にしても宮浦(健人)にしても、本当に素晴らしいというか、頼りがいがあるというか、ヤバいやつらが入ってきてくれたので、各人がもつ色を発揮できるチームづくりをしていかなければいけないと思っています。ただ、僕ら4年生は(セッターの)光輝も含めて「最終的に決め切るのは4年生」というのが目標というか、それを課題に試合に臨んでいます。

▶早稲田大はミスによる失点を少なくするために、基本に忠実にプレーすることを大事にしていますよね。

そうですね。簡単にミスをしないように、というのも、練習から心がけていることの1つです。昨年、全日本インカレで勝てたのは、日頃から基礎を大切に練習していて、土台を築けていたことが大きかったと思います。春リーグは全日本インカレの30%程度のチーム構成なのでミスが出ることもありましたが、これから徐々に減らして、精度の高いバレーができるようにしていきたいと思っています。

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スーパースターのいないチームをまとめ上げ、チーム力で勝つ。しかしながらひとつひとつのプレーの精度は高い

 

Vリーガーになるために自信をつけたい

▶黒鷲旗でもV・プレミアチームを相手に好ゲームを展開しました。自信がついたのでは?

格上の相手と対戦する時は失うものがないので、向かっていこうという姿勢が攻めにつながり、ああいう試合ができたのだと思います。でも、結果的にジェイテクトさんにも東レさんにも負けてしまいました。「『惜しかったね』と言われるのが一番悔しい」という言葉がみんなから出て、勝負は勝ち切らなければいけないという思いを改めて持つことができたので、いい3日間になったと思います。

▶週末の大学リーグ戦も含めると5連戦というハードな戦いでしたが、コンディションは大丈夫でしたか。

僕は全然大丈夫です。東日本インカレの直前まで教育実習に行きます。指導案を書くのが大変で、あまり練習できないかもしれないと聞いているのですが、実習も大会も頑張ります。

▶今年は、樋口選手(筑波大)、高梨選手(日体大)、永露選手(東海大)ら各チームの主力が皆、教育実習に行くと言っていました。将来に備えてのことだと思いますが、卒業後の進路はどのように考えていますか。

卒業後はVリーグでプレーしたいと思っています。今のままではスパイカーとして通用しないと思うので、大学生のうちに自信をつけなければいけないと思っています。

▶大学4冠、全日本インカレ連覇という大きな目標に向かっていく中で、藤中選手の成長も期待しています。

ありがとうございます。頑張ります!

(取材・構成/金子裕美)

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尚、西日本インカレは6月28日(木)から7月1日(日)まで、広島県立総合体育館で行われます。

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