黒鷲旗全日本男女選抜大会(丸善インテックアリーナ=大阪市中央体育館)は2日目を迎え、グループ戦男女各8試合が行われた。
前日、早稲田大がジェイテクトを相手に2セット先取し、ベストメンバーをコートに引っ張り出したように、この日も、大学界ナンバー1のミドル樋口裕希(4年・主将)、全日本初選出のサイド小澤宙輝(3年)ら、力のある選手が揃う筑波大が、黒鷲旗3連覇をめざすJTを相手に2セットを先取。続く第3セットも先にセットポイントを握り、ぎりぎりのところまで追いつめた。早稲田大も東レを相手にすべてのセットで競り合う好ゲームを展開し、会場を大いに沸かせた。

学生選手にとってV・プレミアチームと対戦できるこの黒鷲旗と、年末に行われる天皇杯(ファイナルラウンド)の2大会は格別だ。活躍いかんではV・プレミアのスカウトや、全日本の選考にかかわる人たちの目に留まることもあるため、学生同士の対戦以上に気合いが入る。筑波大主将の樋口は、29日の大学リーグ会場で「学生らしく全力で戦う」と話していたが、そうしたまっすぐな気持ちがプレーに乗り移り、コート上の6人が互いに補い合える状態になるとV・プレミアチームをも飲み込む力を発揮する。この日、筑波大と対戦したJTは、セッターに金子聖輝を起用していたが、やむなく深津旭弘にスイッチし敗戦を免れた。早稲田大と対戦した東レは、藤井直伸、李博ら全日本メンバーをスタートから起用。用心して臨み、接戦ながらもストレート勝ちして意地を見せた。
「男子の大学バレーを観る機会はほとんどないけれど、早稲田も筑波もやばいですね。女子の試合を観なければいけないのに、観客席から男子の試合を見入ってしまいました」と話したのは、女子プレミアチームのあるコーチ。早稲田大、筑波大ともに、指導者も驚くほど質の高いバレーを展開していた。

V・プレミアチームは決勝まで戦い抜くことを想定し、グループ戦では幅広く選手を活用しながら勝利をめざすチームがほとんどだ。今シーズン3冠(天皇杯・Vリーグ・黒鷲旗)を狙うパナソニックでは、ドイツリーグに参戦していたルーキーの大竹壱青がデビュー。Vリーグではベンチを温めることが多かった関田誠大も、2日目にフル出場して存在感を示した。

若手が活躍する一方、全日本メンバーの高松卓矢(豊田合成)は2日間、ユニフォームを着ていない。試合中、何をしているかというと荷物係だ。浅野博亮(ジェイテクト)は、初日はベンチ入りしたが、2日目はチーム広報として、コートエンドからスマホを片手にシャッターチャンスを狙っていた。初日、1セットだけの出場となったクビアク・ミハウ(パナソニック)は、自らモップ係を買って出るなど、めったにない光景を目にできるのもグループ戦の楽しみだ。



グループ戦3日目は、いよいよV・プレミア同士が対戦する。各チームがどんなメンバーで臨んでくるのか。初白星をかけて戦う大学対V・チャレンジの対戦にも注目したい。
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【男子試合結果】
■Aコート
ジェイテクト 3(25-22.25-14.21-25.25-18)1 警視庁
堺 3(25-17.17-25.25-21.25-23)1 中央大
東レ 3(25-23.33-31.28-26)0 早稲田大
豊田合成 3(25-21.25-20.25-17)0 大分三好
■Bコート
サントリー 3(25-23.25-16.25-11)0 鎮西高
FC東京 3(28-26.25-23.25-22)0 近畿大
JT 3(24-26.20-25.27-25.25-19.15-10)2 筑波大
パナソニック 3(25-19.25-23.25-13)0 富士通
【女子試合結果】
■Cコート
東レ 3(19-25.25-15.25-23.25-17)1 KUROBE
日立 3(15-25.25-21.21-25.25-22.15-10)2 金蘭会高
トヨタ車体 3(25-19.25-16.25-27.25-15)1 筑波大
久光製薬 3(22-25.31-29.25-21.22-25.17-15)2 PFU
■Dコート
NEC 3(25-15.25-22.25-21)0 嘉悦大
上尾 2(25-19.25-23.23-25.28-26)1 東九州龍谷高
デンソー 3(26-24.17-25.29-31.18-25)1 岡山
JT 3(25-23.25-18.25-21)0 青山学院大
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