春季リーグ戦は各大学の新戦力がおもしろい。地道に力をつけてスタメンをつかんだ上級生もいれば、インターハイや春高で活躍した期待の新入生もいる。その姿は喜びに満ちていて、観ている人をもうれしい気持ちにさせてくれる。
その1人、中央大の鍬田憲伸(中央大1年)は、初日からリリーフサーバーとして度々起用されていた。2日目の駒澤大戦でも大事な場面に登場。2セット先取で迎えた第4セット終盤の勝負どころでは春高MVPの貫禄を見せた。豪快なジャンプサーブを打ち込み、相手のレセプションを乱しサービスエースを奪うと、次の1本は鮮やかにノータッチエースを決めた。新入生の活躍に、コート上の先輩たちが燃えないはずがない。結局鍬田は、全6本のサーブをミスなく打ち込み、5連続得点に大きく貢献した。
勝利を引き寄せた鍬田は「(大事な場面だったが)春高での経験を生かして平常心でプレーができた」とほっとした表情を見せた。主将の柳田貴洋(中央大4年)は鍬田の肩をポンとたたいて祝福。言葉は発さなかったが思いは届いたようで、鍬田は笑顔で応えていた。
【試合後のインタビュー】

▶緊張はなかったですか。
鍬田 先輩方がプレーしやすい雰囲気をつくってくれるので、大事な場面でも緊張することなく自分のプレーができました。
▶大学バレーの印象を教えてください。
鍬田 まず、サーブの威力に驚かされました。筋力が足りず、(レシーブする時に)踏ん張ることができないのでトレーニングに励んでいます。攻撃では、ブロックが高く、考えてプレーしないと得点に結びつかないので1点の重みを感じています。
▶今の目標は?
鍬田 常にコートに立って自分のプレーをすることです。そのためには、コートに立たせてもらった時に100%の力を出せるように頑張らなければいけないと思っています。同じポジションに力のある先輩方がたくさんいますが、競争心をもって頑張ります。
▶同期の西田選手(有志/ジェイテクト)、頑張っていますね。
鍬田 西田とは中学時代から仲良しなので、Vリーグのプレーも見ましたし、時々LINEで連絡を取り合っています。春合宿でジェイテクトさんに行った時に会いましたが、インターハイの時とは体がまったく違っていて驚きました。パワフルなプレーをしていたので、自分も肩を並べて行けるように頑張らなければいけないと思っています。