樋口裕希&高梨健太 大学バレー界のニューリーダーに聞く

樋口裕希(筑波大主将)× 高梨健太(日本体育大主将)

 

石川世代が卒業し、大学バレー界は新たなリーダーのもとで新チームの活動がスタートしている。4月7日には、いよいよ春季リーグ戦が幕を開けるが、大学ではライバルとして、世代別の日本代表チームでは仲間として切磋琢磨する新リーダー、樋口裕希(筑波大主将)と高梨健太(日本体育大主将)に話を聞いた。

前年、U-23を引っ張っていた小野寺太志(JT)、大宅真樹(サントリー)らはVリーグで、大竹壱青(パナソニック)はドイツリーグで奮闘している頃、インドネシアのジャカルタで行われる2018アジア競技大会公式テストイベント(2月11日〜15日)に参加するために、大学生から選手が選出されて、ゴーダン・メイフォース監督のもとで事前合宿が行われた。

合宿先のナショナルトレーニングセンター(NTC)を訪ねると、キャプテン高梨を中心に、樋口、永露元稀(東海大主将)ら3年生(現4年生)がリーダーシップをとってチームづくりを行っていた。

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チームリーダーとして、これまで以上に存在感を見せてくれるに違いない樋口(左)と高梨(右)

タイプが異なる3人がタッグを組んでチームを牽引

▶いよいよ最高学年ですね。

樋口 慣れないですね。今までは先輩がいる中でやってきて、どこか頼っている部分があったので、今回、集まった時には少しとまどいました(笑)

高梨 先輩方がやりやすい環境を作ってくれていたので、自分たちもそれを見習って、後輩がやりやすい環境を作っていくということを心がけています。

樋口 練習や試合では、人を動かす声を率先して出していくことを意識しています。

 

▶リーダーシップを取るのは得意なほうですか。

高梨 リーダーシップをとれているかわかりませんが、ジュニア時代にキャプテンをやらせてもらったので、そこで学んだことを生かして言葉を発したり、全体を見たりしています。

樋口 自分は上に立つのが初めてなので、チームを引っ張ることの難しさを感じています。チームをまとめたり、人を動かしたりするのがうまいほうではないので、いい時期に同期のキャプテン格の人たちと一緒に過ごすことができて勉強になります。「なるほど!」「いいな」と思ったら、見習うようにしています。

 

▶それぞれにタイプが違うのですか。

高梨 そうなんです。

樋口 いい感じにタイプが違うので参考になります。健太はプレーでガッツを見せて引っ張るタイプ。永露は言葉で伝えるタイプ。自分はフレンドリーな感じでやってます(笑)。

高梨 自分はしゃべるのが苦手なので、みんながしゃべっているのを見ながら、自分にも取り入れることができそうなものは取り入れて使っています。

樋口 (健太は)コート上では頼もしいですよ。

高梨 コート上ではリーダーシップを発揮できていると思います。

 

▶大学では、高梨選手は主にオポジット、樋口はミドルブロッカーですが、この合宿では2人ともアウトサイドに入っていましたね。

高梨 そうなんです。

樋口 これまで2人で対角を組むことがなかったので新鮮です。

 

▶本誌(Vol.5)では取材をさせてもらった時に、2人とも「将来はアウトサイドでプレーしたい」と話していましたが……。

高梨 将来はサイドでやっていきたいので、こういう場で(サイドアタッカーとして)しっかり結果を出して、評価してもらうことが大切だと思っています。

樋口 自分も最終的にはサイドでいきたいと思っているので、しっかり頑張ろうと思ってやっています。

 

▶樋口選手は天皇杯で大活躍でした。ミドルでも自信を深めたのでは?

樋口 そうですね。以前は、身長が低い(191cm)のでミドルでは難しいかなとか、遅いクイックなので通用しないかも…とか。上を目指すにはミドルじゃ厳しいと思っていたのですが、天皇杯でVリーグチーム(堺ブレイザーズ)と対戦して通用した部分があったので、ミドルでもいけるのかなと思っている部分もあります。

 

▶ここでのポジションは監督の指示ですか?

樋口 自分は両方練習することが多いです。今回はサイドに入ることが多いので、自分ではそのつもりで練習しています。

高梨 僕も(選抜では)アウトサイド中心ですが、オポジットもやっています。自分の気持ちとしては、アウトサイドを集中してやりたいと思っています。

 

▶同じポジションでプレーしてみて、互いにどう見ていますか。

樋口 健太はオポジットをやっているということもあると思うのですが、守備が崩れてハイセットになった時の打ち方がすごくうまいです。それは以前からずっと思っています。僕は普段ミドルなので(ハイセットを打つ)経験がありません。健太には言ってないですけど、参考にさせてもらっています(笑)

高梨 いや、そんなこと、絶対思ってないだろう。

樋口 (笑)思ってるって。

高梨 いや、絶対思ってない。

樋口 本当だよ。

 

▶高梨選手は樋口選手をどんなふうに見ていますか。

高梨 ブロックがうまいです。コンビからの決定率もすごく高いです。

 

▶2人とも、長く練習しているポジションの特性が持ち味なんですね。

高梨 特にブロックがすごいので、手の出し方や位置取りなどは見習わなければいけないなと思っています。

樋口 (笑)

高梨 対戦すると、遅れて跳んでいるのにシャットされるんです。どうやって跳んでいるのかなと思います。位置取りもよくて、打つ側からするとプレッシャーなんです。毎回、神経を使って打っています。

樋口 (笑)

高梨 めっちゃいやっす。

 

▶そこは自信をもっているところですか。

樋口 そうですね。ミドルのブロックは自分でも結構自信があるので、大学の試合では(相手が)全然自分のほうに打ってくれません。健太は指先を狙ってきたり…。

高梨 まともに打ったら食らうから。

樋口 他のアタッカーはブロックを抜きにくるので止めるチャンスがあるんですけど、健太はそもそもまともに打ってこないので止まらない。勝負もできない。だから自分もできれば対戦したくないです(笑)。

 

▶自分自身でこだわりをもっているところは?

高梨 スタメンで試合に出ることです。世代別の大会では何度かベンチスタートで悔しい思いをしています。サーブが武器なので、ピンチサーバーで出たとしても結果を出したいという気持ちでコートに立ちますが、やっぱりスタートから出たいんですよね。

樋口 自分は基本的に負けず嫌いなので、小さなことでも負けず嫌いが発動してしまうんです。例えば、コートに立てなかったとか、スパイクが決まらなかったとか。どんなことも「負けたくない」という思いが湧いて来るきっかけになってしまうので、練習せずにはいられなくなるんです。

 

▶完璧主義ですか。

樋口 どうなんですかね。ただ、自分が納得するまで練習しないと気が済まないところはあります。筑波でも、秋山先生(筑波大監督)や1つ上の先輩から「ケガするからやめろ」と言われたことが何回かありました(笑)。練習のやりすぎで故障することもあるので、気をつけなければいけませんね。

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勝負に熱い男、高梨健太

ゴーダン監督と出会い英語学習への意欲が向上中!

 

▶外国人指導者のもとでバレーをやるのは初めてですか。

2人 はい。

樋口 練習内容はそんなに変わらないです。ただ、考え方やメンタルは日本人と違うなと思います。おもしろいなと思いながらやっています。

 

▶練習ゲームでも(ゴーダン監督は)「キモチ!」「キモチ!」と叫んでいましたね。

高梨 ゴーダンは日本語で話しても理解してくれるので、なんとか会話はできているかなと思います。

 

▶英語は抵抗ないですか。

高梨 しゃべれないっす。中学校からやっておけばよかったと後悔しています。

樋口 海外では自分を連れて行きます(笑)。例えばホテルのフロントの人に言いたいことがある時とかも、通訳としてかり出されます。

高梨 これからは勉強しなきゃいけないと思っています。

 

▶樋口選手はゴーダン監督にも自分から話しかけていましたが、英語は得意なんですか。

樋口 自分は結構英語が好きでしゃべりたいなと思っていたので、いい機会をもらったなと思っています。

 

▶今日はどんな話をしましたか?

樋口 ウォーミングアップの時に、監督が一人ひとりに「昨日はこうだったね」などと話しかけてくれるんです。だいたいキャプテンの健太から始まって、自分はいつも健太の隣にいるので順番的に最後になるんですけど、手前で終わっちゃって声をかけてもらえないことが多いので、「いつも忘れられているんですけど」って言ったら「ごめん」って言われました(苦笑)。

 

▶英語力を上げるためにアドバイスするとしたら?

樋口 まずは単語ですかね。自分は高1から大学でバレーしたいと思って受験勉強をしっかりやっていたので、英単語や文法はある程度頭に入っているんです。「読む」「書く」「聞く」はできるんですけど、「話す」というのがなかなか難しくて、今トライしているところです。

 

▶樋口選手の母校、県立高崎は進学校でしたね。

樋口 そうですね。群馬県では1位です。自分は底辺ですけど、勉強が嫌いと思ったことはないです。

 

▶筑波大学へは受験して入ったのですか。

樋口 一般入試で入っている選手もいます。僕もセンター試験を受けるつもりで勉強していたのですが、推薦入試で行けることになったのでお願いしました。

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努力を惜しまない樋口裕希

 

大学最後の1年を自分のためチームのために充実させたい!

 

▶ 代表合宿ではいつも一緒に行動しているのですか。

樋口 基本的にいつも一緒にいますね。NTCはマンションタイプで、3人部屋が4つくらいと、1人部屋が3つくらいあります。僕らの部屋は3人部屋で、小澤(宙輝/筑波大3年)もいます。

 

▶小澤選手は大学の1つ後輩ですよね。

樋口 はい。くっついてくるので、この合宿では3人でいることが多いです。

 

▶慕われているのですね。上下関係はそんなに厳しくないのですか。

樋口 筑波はいい上下関係というか。先輩から後輩に言うことは言いますが、プライベートでは上下関係なく一緒に過ごしている感じなので堅苦しさはないです。

 

▶日体大も同じような感じですか。

高梨 今はそうですね。自分が1年生の時は厳しかったのですが、2年生の時に峯村(雄大/東レ)さんがキャプテンになって、「下級生がやりやすい環境を上級生が作ろう」とルールを変えてくれたんです。それからは上級生が気にかけてくれたり、「手伝うよ」と声をかけてくれたり。下級生がやっていた仕事をみんなでやるようになったので、バレーボールに集中できています。今年は自分たちが最上級生なので、この環境を維持できるように意識してやっていきたいと思っています。

 

▶下級生が活躍している背景には、そういう変化があったのですね。

高梨 今の日体大はどの大学よりものびのびとバレーボールができる環境だと思います。

樋口 いやいや、筑波もいいよ。

一同 (笑)

 

▶2人はいつ頃知り合ったのですか。

高梨 高校かな?

樋口 うん。1回、自分の高校に来たことがあるよね。その時以外は対戦したことないかな。

高梨 してないね。こういう選抜合宿で顔を合わせるようになったのは大学からです。

樋口 自然と仲良くなりました。

 

▶部屋ではどんなことをよく話す?

高梨 バカ話です(笑)。

樋口 ずっと話しているわけではないですよ。部屋ではそれぞれケータイをいじっていて、おもしろい動画があれば見せて一緒に笑ったり…。

高梨 たいしたことはしてないです。

 

▶気を使わないでいられる間柄?

高梨 そうですね。

樋口 大学の話はするかも。「今、どうなってるの?」とか「どんな練習してるの?」とか。情報をバラさない程度に話しています(笑)。

 

▶大学リーグでは大敵ですからね。最後に今シーズンの抱負をお願いします。

高梨 日体のキャプテンとしては、目標に向かい、チーム一丸となって戦えるように頑張りたいと思っています。個人としては、世代別の代表に選ばれたらスタメンでコートに立って、サイドやオポジットとして成果を出せる1年にしたいです。

樋口 自分は、筑波で3年生までは自分を伸ばしてきたので、4年生の今年は他を伸ばす期間にしたいと思っています。チームのことも考えて動ける人間になりたいです。代表では、(サイド、ミドル、どちらのポジションでも必要とされるように)自分の力を伸ばすことを意識して頑張ろうと思っています。

(取材・構成/金子裕美)

 

・関東大学1部春季リーグ戦のスケジュールはこちら

 

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