石川祐希が新たな道を決断

中央大学卒業を機に石川祐希(イタリア・セリエA ラティーナ)がプロ宣言した。Vリーグチームに所属せず、バレーボーラー石川祐希を必要とするチームと契約を交わしてプレーしていく道を選んだのだ。学生時代から全日本に選出され、国際大会でプレーしている選手が、大学を卒業後、国内のどのチームにも所属せずに海外でプレーする道を選んだケースは記憶にない。後進が背中を追えるような道を切り拓くことができるか、大いに注目したい。

  振り返れば、大学1年でイタリア留学(イタリア・セリエA モデナ)を実現。期せずして星城高時代のチームメイト、川口太一(豊田合成)も練習生として同チームに派遣され、日本語を交わせる状況ではあったが、このイタリア留学によりグローバルな視野が広がり、世界観が変ったことは間違いない。

翌年以降も、世界のプロバレーボーラーとともにプレーする機会を求め続けた石川は、中央大に在籍しながらラティーナに所属し、2年連続(3年・4年)でイタリアリーグに参戦。世界の実力者が揃うリーグで、コート上では力を競い合い、コートを離れればフレンドリーにつきあえる環境の中で、プレーヤーとしても人間としても成長を遂げている。

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様々な国から選手が集まるセリエAでのプレーもすでに3シーズン目。どんな選手とも気さくにコミュニケーションも取れ、コートの内外で笑顔があふれる。

全日本インカレが終わり、小野寺太志(東海大→JT)、武智洸史(中央大→JT)、大竹壱青(中央大→パナソニック)、大宅真樹(東亜大→サントリー)ら、同期の選手たちが次々と進路を表明する中で、石川だけが沈黙を守っていた。当然、複数のV・プレミアチームからオファーがあったが、様々なバックグラウンドをもつ外国人選手とかかわる中で、選手としての生き方、プレースタイル、バレーボールとの向き合い方などにも影響を受けて、競技者として自分らしい生き方を模索した結果、「プロ選手」という選択をしたのだろう。

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バレーボールを見る機会の多いイタリアのファンにもすっかり認知されている。

石川の選択は、ドイツ・ブンデスリーガで活躍する柳田将洋(TVインガーソル・ビュール)にとっても励みになったはずだ。ともに世界のリーグで磨きをかけて、その成果を全日本で発揮してほしい。

(文/金子裕美)

 

【石川祐希/コメント全文】

こんにちは、石川祐希です。皆さまにご報告がございます。

これまで卒業後の進路について報告ができておりませんでしたが、中央大学を卒業後、プロのバレーボール選手として競技を続けていくことを決めました。これまでの中央大学在学の4年間、松永監督をはじめ、スタッフの皆さま、OB、後援会の皆さま、たくさんの方からのご支援をいただき、また大切な仲間とともに充実した大学生活を送ることができました。これからはプロとしての自覚と責任、覚悟を持って、新たな世界へ挑戦していきたいと思います。

バレーボールから学んだ感謝の気持ちを絶やすことなく、たくさんの方々から応援していただける選手になれるよう、努力し続けていきます。そして、私たちの学年は卒業してしまいますが、後輩たちは私たち以上の活躍をしてくれると信じています。引き続き中央大学バレーボール部の応援をよろしくお願いいたします。私もOBとして後輩たちを応援しています。

中央大学バレーボール部公式サイト 2018.3.25動画より)

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